ネットマイルがポイント活用の決済サービス、PayPal連携の支払いも


ネットマイル決済サービスの流れ

 株式会社ネットマイルは24日、同社が運営するポイントプログラム「ネットマイル」を活用した決済サービスを開始した。企業が運営するECサイトなどで、ネットマイルを用いた1円単位の決済が可能となる。また、ペイパルジャパン株式会社と協業し、ネットマイル決済時の不足金額をオンライン決済サービス「PayPal」で支払えるようにした。

 アンケート回答や会員登録、資料請求などによって無料で貯められるネットマイルで決済できるため、現金出費を伴わずに商品やサービスを購入することが可能。ネットマイル会員IDを使用して決済するため、ECサイトなどの導入サイトでクレジットカード番号や口座番号などを入力せずに決済できることもメリットだ。

 ネットマイル決済時に保有マイルが不足している場合には、決済画面上に表示される広告キャンペーンに参加することで、その場で獲得できるマイルを即座に決済代金に充てることも可能。それでも足りない金額については、PayPalを通じてクレジットカードなどで支払える。

 ネットマイルの決済サービスを導入する企業のメリットとしては、新たな小口決済手段をユーザーに提供できるほか、ネットマイルの会員約250万人を集客できることが挙げられる。決済サービスの導入にかかる費用は無料。ネットマイルは2011年3月末までに、約30社への導入を目指す。

ネットマイル決済サービスの特徴

決済サービス参入は「設立以来の悲願」

ネットマイル代表取締役CEOの畑野仁一氏

 ネットマイルは2001年4月にサービスを開始。サイト内でのキャンペーン参加、ショッピング、アンケート回答などを通じてポイントを付与し、貯まったポイントを電子マネーや航空マイレージ、現金、商品などと交換できるサービスを提供している。今回の決済サービス参入は「会社設立以来の悲願」と、同社代表取締役CEOの畑野仁一氏は語る。

 決済サービス参入の背景には、課金単位が少額なソーシャルゲーム市場の急成長があるという。「モバゲーやmixiなどのアイテム課金をみると、携帯電話はキャリア課金が主流だが、PCは少額課金手段が確立されていない。これに対して米国では、リワード広告とPayPalの組み合わせが課金の主流。これを日本でもやってみたいと考えた」。

 リワード広告とは、広告にアクセスしたユーザーに報酬を還元する成功報酬型の広告。少額課金が主流のソーシャルゲームとの親和性が高いとされており、ユーザーがゲームアプリ内に表示された広告に参加することで、アプリ内で利用できる仮想通貨を得られるサービスなどがある。

 ネットマイルは、少額のマイルを保有する大勢のユーザーを抱えているだけでなく、マイルを獲得できるリワード広告も多数提供していることから、決済サービスへの参入を決断。また、PayPalと連携したことで、保有マイルが決済金額に満たないケースにも対応でき、ユーザーに全く新しい小口決済サービスを提供できるとしている。


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(増田 覚)

2010/11/24 17:12