「ATOK 2011」2月発売、使う人に合わせた変換を実現


 株式会社ジャストシステムは、日本語入力システムの最新版「ATOK 2011 for Windows [ベーシック]」を2011年2月10日に発売する。価格は通常版が8400円、ATOK登録ユーザーが対象のAAA優待版とアカデミック版が5250円。対応OSはWindows 7/Vista/XP。

ATOK 2011ラインナップATOK 2011機能まとめ

使う人に合わせた変換を実現、入力ミスを見抜く自動補正も

 ATOK 2011では、ユーザーが変換候補に期待する文体を自動的に判断する「スマートモードチェンジ」機能を実装。入力中の言葉の傾向を読み取り、「人名優先」「話し言葉関西」といった適切なモードに切り替えてくれる。

 これにより例えば、「田中一郎 高橋健一 鈴木三郎」などと人名入力が続く場合に「なかのこうじ」と入力すると、以前は「中の工事」と変換していたが、自動的に「人名優先」モードに切り替わり、「中野浩二」と変換できる。

 これまでもATOKには、話し言葉や方言を優先する表現モードや、固有名詞を優先するモードを用意していたが、これらのモードを利用するにはユーザーが手動で切り替える必要があった。

 また、過去の変換履歴をもとに、入力ミスを補正する機能も搭載。これにより、「yろこぶ」を「喜ぶ」、「ぱsこん」を「パソコン」と変換できるようになった。以前は、「yろこぶ」はそのまま、「ぱsこん」は「派sこん」と変換されていた。

ATOK 2011ラインナップATOK 2011機能まとめ

ユーザーの関心に合わせて変換候補を充実

 さらに、ユーザーの関心の高い分野のウェブサイトのRSSから定期的にデータを取得し、推測変換にふさわしいフレーズを抽出して省入力データとして登録できる「おまかせキーワードチャージャー」も搭載した。

 これにより例えば、テクノロジー分野のニュースサイトのRSSを設定した場合、「しえんそ」と入力した時点で「支援ソリューション」、「たいいき」と入力した時点で「帯域制御」と推測変換の候補語を表示できる。

 操作面もシンプルにし、スペースキーを押すだけで通常の変換候補に加え、英単語や顔文字などの候補も同時に表示するようになった。あわせて、変換候補表示中に「0」キーを押すことで、連想変換や後変換などの候補ウィンドウに切り替えられるようになった。

複数パソコンでユーザー設定を共有できる「ATOK Sync アドバンス」

 また、オンラインストレージサービス「インターネットディスク」を使ってATOKのユーザー辞書を複数のパソコンで同期するサービスを強化し、12カ月無償で利用できる「ATOK Sync アドバンス」として提供する。

 機能面では、変換辞書の学習情報、確定履歴、環境設定情報を同期できるようになる。なお、製品発売時はATOK 2011 for Windows間での同期が可能だが、今後はATOK for MacやATOK Pad for iPhoneとの同期にも対応する予定。

ATOK Sync アドバンス

 ジャストシステムでは、ATOK 2011 for Windows [ベーシック]の機能に加え、ATOK変換辞書・連携辞典の収録コンテンツを一新した「ATOK 2011 for Windows [プレミアム]」も発売する。価格は1万2600円。

 連携辞典では、書籍版に新語を追加して約26万語を収録する「大辞林」、約5000の敬語の会話例を収録する「敬語のお辞典」を新たに搭載し、入力・変換時に必要な情報を参照できるようになった。

 また、指定のExcel形式のファイルに、読みと入力したい単語・フレーズを書き込むだけで、変換候補として表示するプラグイン「ATOKダイレクト for Excel」を同梱した。これにより、単語登録だけでは行えない複数行の変換候補も利用できるようになる。


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(増田 覚)

2010/12/7 16:30