日本ベリサイン、gooウェブ検索でベリサインシール表示を開始


 日本ベリサイン株式会社は、1月13日より「gooウェブ検索」結果画面にベリサインシールが表示されると発表した。ベリサインシールにはSSLサーバー証明書の無償オプションとなる「ベリサインセキュアドシール」と単体製品の「VeriSign Trust Seal」の2種類があるが、今回表示されるのは「VeriSign Trust Seal」となる。

「Webサイトの安全性を目に見える形にしていきたい」

日本ベリサイン株式会社 代表取締役社長の古市克典氏

 gooウェブ検索でのベリサインシール表示開始にあたり、日本ベリサインでは記者説明会を実施。日本ベリサイン株式会社 代表取締役社長の古市克典氏は、「VeriSign Trust Sealは2010年から販売開始したが、主な機能は検索サイトの検索結果にベリサインシールを表示する『シールインサーチ』と1日1回スキャンを行いマルウェアの有無を検証する『マルウェアディテクション』となる。今年は、SSLサーバー証明書の無償オプション『ベリサインセキュアドシール』にTrust Sealの機能を標準装備することを検討している」とコメント。

 Verisign Trust Sealのマルウェアディテクション機能を、SSLサーバー証明書の標準無償オプションとして提供する予定を明らかにした。日本ベリサインの決算年度は1月~12月となるが、2011年上半期中には実装したいとしている。さらにその先には、サイトの脆弱性検出などいくつかの機能追加を行う予定であるという。

 また、ベリサインシールの表示速度が遅くてはWebページ表示に時間がかかってしまい、かえってユーザーの利便性を損なうおそれもあることから、2010年に米Verisignを買収した米Symantecがシールサーバーを強化。これまで米国に集中していたベリサインシールサーバーを日本をはじめとした世界各地に増設し、エンドユーザーからもっとも近いシールサーバーへ接続することで、シール表示時間が従来と比べて最大78%短縮したという。

 古市社長は、「アドレスバーが緑色で表示されるベリサインのEV SSL証明書と合わせて、Webサイトの安全性を目に見える形にしていきたい」として、“安全性が見てわかる”ソリューションの推進を強調した。

SSLサーバー証明書の無償オプションとなる「ベリサインセキュアドシール」と単体製品の「VeriSign Trust Seal」の2種類がある「Trust Seal」は、SSLサーバー証明書の必要ないサイト向けのサービス。ベリサインシールを表示する「シールインサーチ」と1日1回スキャンを行いマルウェアの有無を検証する「マルウェアディテクション」機能が柱

「gooウェブ検索」結果で、プラグインなしでベリサインシール表示

 Verisign Trust Sealでは従来も、AVGのリンクスキャナをインストールすることで、検索結果画面にシールを表示することが可能だったが、プラグインソフトをインストールする必要があるほか、対応のWebブラウザーがInternet ExplorerとFirefoxに限定されるなど、ユーザー側からの利用のハードルがやや高かった。

 gooウェブ検索では今回、検索サーバー側でベリサインシールを表示する機能を装備したことで、ユーザー側ではとくにプラグインなどをインストールすることなく、Verisign Trust Sealを表示することが可能になった。

 具体的にはたとえば、gooウェブ検索でVerisign Trust Sealを導入している企業「マルマンフーズ」を検索すると、検索結果画面でベリサインシールが表示されていることを確認できる。

 日本ベリサインでは今後、他の検索サイトなどにもベリサインシール表示を働きかけていきたいとしている。ただし、今回のgooウェブ検索との提携は日本ベリサインとNTTレゾナントの間で実施したもので、Googleなどワールドワイドで提供している検索エンジンについては、従来通りプラグインをインストールすることでベリサインシールをオーバーレイ表示する方向での対応になる見込みだという。

ベリサインシールとgooとの連携シールインサーチ機能。プラグインソフトウェアにより検索結果にオーバーレイでシールを表示するが、プラグインソフトウェアのインストールが必要で、対応ブラウザもIEとFirefoxに限られる

シール表示でサイトの安全性をアピールし、コンバージョンレート向上にも

 日本ベリサインではベリサインシールの効果について2010年12月に複数の調査を実施。結果について合わせて発表した。

 アイトラッキング調査では、Google/Yahoo!/Bingでの検索結果にベリサインシールが非表示の場合と表示の場合で、一般ユーザーの目の動きがどう違うかの対照調査を実施。ベリサインシール非表示の場合はユーザーの視線が画面のあちこちを移動しているのに対して、ベリサインシールが表示されている場合は、ベリサインシールが表示されているリンクとベリサインシールに集まるという結果になったという。

 また、アイトラッキング調査後にモニターに対して行ったアンケートでは、6割がベリサインシールが検索結果に表示されると安心してクリックできると回答。ベリサインで実施した消費者セキュリティ意識調査でも、ベリサインシールが表示されるリンクと表示されないリンクでは、ユーザーの8割以上がベリサインシールが表示されるリンクの方をクリックしたいと回答した。

 日本ベリサインではこれらの調査結果から、安心してアクセスできるセキュアなサイトであることがベリサインシールによりひとめでわかるため、コンバージョンレートの向上が見込めるほか、ベリサインシールに視線が集まることから、検索結果画面で下位に表示されても、ユーザーに注目させるSEO効果もあると説明。サイトの安全性を理解してもらえることで、コンバージョンレート向上につなげることも可能だとした。

アイトラッキング調査画面。赤>黄>緑>青の順でユーザーの視線が集まっている部分を示す。ベリサインシールが表示されると、シールに視線が集まる

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(工藤 ひろえ)

2011/1/13 18:13