Slashdot編集長の“CmdrTaco”氏が辞職、ネットの質的変化のために身を引く


 ギークのためのコミュニティサイト「Slashdot」の創業者で、名物編集長の“CmdrTaco”ことRob Malda氏が25日、編集長としての職を辞することをサイト上で発表した。

 同氏は、インターネットの質的な変化と、それに適応してSlashdotがさらに発展していくために自身が身を引く必要があるとの理由を挙げている。今後の計画や次の仕事については「未定」としている。

 Rob Malda氏は、大学生だった14年前の1997年に自作のCMSプログラムをPerlで開発し、Slashdotを開設した。サーバーはアルバイト先の机の下に置いていたという。以来、1万5000件を超す記事を投稿し、今日のSlashdotコミュニティを形作ることに多大な貢献をしてきた。

 「ギークのためのニュースサイト」は今でこそたくさんあるが、開設当時にはまだほかに存在していなかったため、大きな人気を集めた。Slashdotに取り上げられると爆発的にアクセス数が増加することは「Slashdot効果」と呼ばれるまでになった。

 そしてLinuxの爆発的な普及、NetscapeからMozillaの誕生、フリーソフトウェアからオープンソースの誕生、Googleの創業と台頭、インターネットバブル、Web 2.0など、さまざまなニュースが扱われてきた。これ以外にも、Rob Malda氏が恋人のKathleenに公開プロポーズを行ったことも大きな話題となった。

 こうしたたくさんの思い出があるSlashdotの編集長を辞める理由として、「私がここを初めてからというもの、インターネットは劇的に変化した。そのことが私が離れる理由のひとつでもある。私にとって、今日のSlashdotは、過去のSlashdotに堅くとらわれてしまっている。そのためにサイトの未来を客観的に考慮することが本当に難しくなってしまった」と説明し、Slashdotが生まれ変わる必要性を指摘した。

 Slashdotが人気を得て以降、さまざまなニュースの見方が表れてきた。例えばDigg、Hacker News、Metafilterはその代表だろう。さらにTwitterやFacebookなどもその役割の一部を担っていると言えそうだ。今やギークが新しいガジェットやテクノロジー、科学について話す場所はSlashdotだけではないことは明らかだ。

 Rob Malda氏は、しばらくの間は家族とともに過ごし、読書などを楽しむ予定。「数カ月以内に新しい職を探すつもりだ」としており、同氏の連絡先が掲載されている。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/8/26 11:49