その日の感動をMP3でお持ち帰り、TBSが赤坂BLITZでライブ音源即売サービス


 TBSテレビとTBSラジオは1日、東京・赤坂の「赤坂BLITZ」で行われるライブ音源の即売サービス「BLITZ T2D(ブリッツ・ティーツーディー)」を開始すると発表した。ライブ終了後にシリアル番号が記載された「T2D LIVEカード」を会場内で販売する。

 T2D LIVEカードの購入者は専用サイトにアクセスし、シリアル番号とメールアドレスを入力すれば、終演後最短1時間で音源をダウンロードできる仕組み。楽曲はデジタル著作権管理(DRM)システムを使わず、192kbpsのMP3フォーマットで配信する。

 データのダウンロード回数や期間、配信楽曲は、権利者が決められる。カードの売上は権利者とTBSで分配する。第1回目の「BLITZ T2D」は、6月24日に行われるロックバンド「Dirty Old Men」のライブで実施する。T2D LIVEカードの価格は未定。

T2D LIVEカード

 TBSによれば、ライブハウスに録音システムを常設し、音源を即売するのは日本初。過去にあった非常設の事例ではCDなどパッケージによる販売が主流だったが、数十人のスタッフを動員してCDを複製する必要があり、時間と金額の負担が大きかった。

 これに対してBLITZ T2Dは、インターネット経由でユーザーにデータを届ける仕組みを導入。これにより数十人ものスタッフを用意する必要が無くなり、コストパフォーマンスを最適化したライブ音源の即売サービスが実現したという。

 TBSでは常設した録音システムを活用し、赤坂BLITZを巨大なレコーディングスタジオのように使い、ライブレコーディングを行えるサービス「T2D REC」も提供する。

 TBSはこれまで、テレビやラジオでコンテンツを提供する側だったが、今回はコンテンツの制作支援という逆の立場だ。サービス発案者の萩原慶太郎氏(TBSラジオ&コミュニケーションズ)は「TBSが持つ長年の音声収録ノウハウを生かしたかった」と語る。

 TBSでは今回の事業をきっかけに、赤坂BLITZを利用するアーティストやレコード会社、音楽プロダクション、イベント主催者に対して新たなツールを提供するとともに、テレビやラジオも含めてトータルでライブコンテンツを支援していきたいとしている。


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(増田 覚)

2012/6/1 10:00