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電子書籍の国会図書館への納入が7月1日から義務化、当面は無償・非DRM限定
(2013/6/27 19:08)
7月1日に改正国立国会図書館法が施行され、電子書籍や電子雑誌などの「オンライン資料」を国会図書館に納入することが義務付けられる。国会図書館では7月1日に納入受付ページを開設し、電子データの納入の受付を開始する。
現在、紙の書籍や雑誌などの出版物は、国会図書館に納入することが国会図書館法で義務付けられている。これと同様に電子書籍や電子雑誌についても、7月1日の改正法施行により国会図書館への納入が義務付けられる。
現時点で納入義務の対象となるのは、無償かつDRMなしで公開している電子書籍や電子雑誌で、1)特定のコード(ISBN、ISSN、DOI)が付与されたもの、2)特定のフォーマット(PDF、EPUB、DAISY)で作成されたもの――のいずれかの条件を満たすもので、施行日以前に出版されたものは対象とはならない。
国会図書館では納入対象となる資料の例として、インターネット上でPDF形式などで公開されている、年鑑、要覧、機関誌、調査報告書、事業報告書、学術論文、紀要、技報、ニュースレター、小説、実用書、児童書などを挙げている。
一方、納入対象とならないものについては、簡易なもの(各種案内、ブログ、ツイッター、商品カタログ、学級通信)、内容に増減や変更がないもの、申し込みや承諾などの事務が目的であるもの(電子商取引など)、紙の図書や雑誌と同一版面であることが確認できたもの、長期利用目的でかつ消去されないもの(大学の機関リポジトリなど)などを挙げている。
なお、有償の資料やDRMのある資料は当面納入の対象ではないが、将来的に納入義務対象に含める方向で検討が進められる。また、国や地方公共団体のインターネット資料については、すでに2010年4月から国会図書館の収集制度の対象となっているため、今回の改正法で新たに収集対象となることはない。
納入義務者は原則として出版者(出版社など)で、国会図書館への資料の送信については、1)URLを国会図書館に通知し、国会図書館側からロボットで自動収集してもらう、2)国会図書館が開設するサイトに資料をアップロードする、3)CD/DVDなどに格納して郵送する――の3つの方法が用意される。ただし、アップロードのシステムについては2014年の公開予定となっている。
納入された資料は、国会図書館内での閲覧サービスに利用される。閲覧サービスの提供開始は2013年10月の予定。