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「Yahoo!地図」アプリが3D表示に対応、話題のスポットをリアルに再現

 ヤフー株式会社は8日、Android向けアプリ「Yahoo!地図」をリニューアルした。地図の3D化やスクロールの高速化を実現したことが特徴。Google Appsから無料でダウンロードできる。iPhoneアプリは年内に提供する予定。

 刷新したYahoo!地図アプリでは、地図の回転や拡大・縮小がスムーズに行える「ベクトル(ベクター)地図」を採用。地図を画像データとして扱う従来の「ラスター地図」と比べて、ズームや回転を行っても画質が劣化せず、滑らかに操作できるようになったという。

渋谷周辺駅の地図
スカイツリー周辺の地図
東京広域の地図

 ベクトル地図採用に伴い3Dを実装。バードビューによる地図俯瞰機能から3D地図が閲覧可能となった。東京スカイツリーやあべのハルカス、複数のドーム球場など、全国25スポットは建物の形状を精密に再現した。今後も著名なスポットを随時、詳細に3D化していく。

梅田スカイビル空中庭園展望台
あべのハルカス
ヤフオクドーム

 ルート探索機能については、目的地までの移動手段を示す候補画面と、ルートを示す地図画面を同じ画面内でページ遷移せずに表示できるようになった。行きたい方向に合わせて地図が回転したり、今いる場所を常に表示する改善も加えた。

 さらに、飲食店の営業状況や、時間貸し駐車場の空車状況をアプリ内に反映。今いる場所の近くが営業しているかどうかや、駐車場の満空情報がリアルタイムに地図上で表示されるようになった。

飲食店の営業状況のリアルタイム表示
営業状況の詳細

 京都嵐山や石垣島など、日本全国の観光地48カ所で配布しているパンフレット114枚をアプリ内に収録。スマートフォンのGPSを活用し、パンフレット上で現在地を確認できるガイドマップ機能も追加した。

観光マップの一覧
観光マップのガイド画面
観光マップの地図画面

 このほか、表示中の画面を保存する「地図クリップ」機能を搭載した。従来は地図を検索すると、事前に調べていた場所が上書きされたが、保存した地図を再び表示できる。地図にタブブラウザーの概念を取り込んだもので、地図の「あとで読む」機能ともいえる。

初めての場所でも迷わない地図

 ヤフーで地図サービスの開発を手がけるマップイノベーションセンターリーダーの入山高光氏は、ベクトル地図を採用したことで「初めての場所でも迷わなくなる」とアピールする。

 「ルート検索は非常に利用されているが、常に『北が上』の状態で地図を読める人ばかりではない。スマホ自体を回転させて見ている人も多い。新しいアプリでは進行方向に応じて地図がスムーズに回転するため、こうした課題を解決できる。」

マップイノベーションセンターの入山高光氏(左)と二宮一浩氏

 「初めての場所でも迷わない」という点では、建物の詳細な3D化も一役買っている。「現在地から見える建物が地図上で再現されるので、自分の場所がわかりやすい。今後は有名な寺院や城もリアルに再現していく」(マップイノベーションセンターの二宮一浩氏)。

 入山氏と二宮氏は、国内に拠点を構えるヤフーだからこそ「日本のためのスマホ地図」を提供できると口をそろえる。「地図の色にも和の要素を取り入れ、緑は抹茶、ピンクは桜の色で表現するなど日本人に優しい色づかいを採用している。自治体や観光協会から提供された観光パンフレットを収録するのも、日本に強いヤフーならでは」(入山氏)。

(増田 覚)