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米Google、「Chrome Apps」を正式公開
~ネイティブに匹敵するハイブリッドアプリを一般利用者に
(2013/9/6 09:55)
米Googleは5日、「Chrome Apps」を正式に公開した。
ChromeのWindows版もしくはChrome OS利用者は、ChromeウェブストアでデスクトップPC向けアプリを利用できる。Mac/Linux版は現在準備中で、Chrome App LauncherのMac版が開発者向けプレビュー版として公開されている。
Chrome Appsは、これまで「Packaged Apps」と呼ばれていたもの。名称を改め、開発者向けプレビューの段階を終えて、一般ユーザーが利用できるアプリをストアに揃え一般向けに公開したのが今回の発表の位置づけだ。
Chrome Appsは、実質的にHTML、CSS、JavaScriptで記述されたハイブリッドウェブアプリだ。Chromeを通してネイティブ機能、セキュリティー対策、オフライン利用にも対応しているのが特徴となる。今後通常のWindowsやMacアプリケーションと性能、外見ともに遜色なく見えるように改良していく見通しだ。
ハードウェアのネイティブ機能の一部にアクセスできるようにしたため、USBやBluetooth、ローカルストレージを利用できる。Chromeのユーザーインターフェイスに依存せず、独自のユーザーインターフェイスも持てる。Googleサービスと連携し、オフライン、オンラインの切り替わりには同期し、Googleドライブや他のウェブサービスにドキュメントや写真などのファイルを保存できる。
セキュリティーにもChromeの機構を利用する。アプリはサンドボックスで動作するほか、Chromeブラウザと同じくアプリも自動的にサイレントアップデートする。そのため、セキュリティー脆弱性修復や新機能の追加を自動的に行うことができる。
アプリを簡単に起動するためのランチャー「Chrome App Launcher」も用意され、Chrome Appsの初回インストール時に同時にインストールされる。Windowsのスタートメニューに似ていて、タスクバーに常駐し、インストールしたアプリ一覧を表示する。
発表時点で同時公開されたChrome Appsの数はそう多くない。しかし、ネイティブアプリと見劣りしない機能の片鱗を見られる。写真編集アプリ「Pixlr Touch Up」はネイティブアプリケーションと遜色なく写真編集が行えるほか、レーシングゲームや、タスク管理ソフト「Wunderlist」など30種類程度のアプリが公開されている。
近年、ネイティブとウェブの境目が曖昧になるほど、JavaScriptの実行速度が向上。Googleは、ChromeのJavaScriptエンジンV8を考えられないほどの実行速度を実現してきた。Googleに対抗してMozillaやMicrosoftも開発競争を繰り広げており、MozillaはネイティブコードをJavaScriptのサブセット「asm.js」に変換することで、ネイティブアプリケーションを超高速に実行することに成功させている。
こうした熱心で地道な取り組みにより、特別に演算速度を必要とするアプリケーションでない限り、ウェブアプリまたはハイブリッドアプリで十分な状況が整いつつある。
また、アプリマーケットプレイスの普及で、一般ユーザーのソフトウェア利用方法も変化している。
今回発表された「Chrome Apps」の報道を見ると、ネットメディアの「The Verge」は「Googleのトロイの木馬」、同じくネットメディアのGigaOMも「コンピューターを乗っ取るGoogleの戦略は続く」という刺激的な見出しをつけた。その通りに事態が進展していくのか、注目される。