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Twitter、米CATV最大手のComcastと提携、ツイートに「番組を見る」ボタン

 米Twitterと米ケーブルテレビネットワーク最大手のComcastは9日、ツイートから直接番組を見られるボタンを今秋より設置することで提携すると発表した。

 Twitterは、テレビとの連携が重要な収益源とみている。今回の提携は間近に迫ったIPOを控え、大きな成果となりうる。

 Twitterの利用者は番組のツイートの下に「See It」(番組を見る)ボタンを目にすることになる。Comcastケーブルネットワークの会員なら、そこでIDとパスワードを入力すると、その場で番組録画、モバイル視聴、リマインダーなどの設定を行える。Comcastに加入していない場合、番組情報が表示される。

 Comcast Corporation会長兼CEOであるBrian Roberts氏は「See Itは、Twitterを即座にネットリモコンにしてしまう、単純ではあるが強力な機能だ」と述べ、Twitterをテレビの高機能リモコンにするコンセプトを簡潔に表現した。

 TwitterのCEOであるDick Costolo氏は提携意図について、「Twitterは、テレビ視聴者が番組を見ているその時に、何をテレビで見ているかを話すために来る場所だ。数百万人のユーザーは、ショーがオンエアされながらTwitterで繰り広げられるライブの会話にさらされている。今や『See It』ボタンによって、彼らはツイートから直接チャンネルを合わせることができるようになる。これは、さまざまな新しいプラットフォームにテレビを持ちこんでいるComcastがリーダーシップを発揮している大きな事例といえる」とコメントしている。

 とはいえ、「See It」ボタンが表示されるのは今のところ、Comcast傘下であるNBCUniversalのさらに一部の番組に限られている。両社は今回の発表内容をさらに発展させることを計画しており、今後、「See It」の採用を他のパートナーやテレビネットワークに働きかけていく。

 また、この提携に合わせ、TwitterとNBCUniversalが提携したことも発表された。NBCUniversalの広告クライアントが、Twitterでも広告キャンペーンを展開できるようにするとしている。

 Twitterはテレビとの連携が重要な収益源になると以前から主張してきた。さらに、先日公開されたTwitterのIPO申請書書類にも、このことが何度も述べられている。Twitterがテレビネットワークにとって有用な存在であることを実証できれば、大きな収益機会が目の前に開けることになり、IPOの成功にも影響しそうだ。

(青木 大我 taiga@scientist.com)