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ヤフーがブックオフと資本提携、「ヤフ!OFF」でリユース革命

ブックオフの中古本・買取品を「ヤフオク!」で販売

 ヤフー株式会社は24日、中古品売買の強化を目的として、ブックオフコーポレーション株式会社と資本・業務提携を行うと発表した。ヤフーが総額約99億円をブックオフに出資し、ブックオフのチェーン全店で買い取った商品を「ヤフオク!」で販売する仕組みを構築する。

ブックオフの松下展千社長(左)とヤフーの宮坂学社長(右)

 資本提携は、ヤフーがブックオフの株式310万株(所有議決権割合13.73%)を第三者割当により21億7260万円で取得。さらに、ブックオフの営業利益増加を条件とした新株予約権付社債77個を77億円で取得する。新株予約権をすべて権利行使した場合、ヤフーの所有議決権割合は43.22%となる。

ヤフーが総額約99億円をブックオフに出資

 提携により、ヤフオク!上にブックオフ専用ストアを開設し、ブックオフ店舗にある中古本の販売をヤフオク!上でも展開する。現在、ヤフオク!上には約200万冊の中古本の取り扱いがあるが、2016年度までにこの5倍となる1000万冊を目指す。さらに、CDやDVD、ゲームソフトなど、中古本以外の商品についてもヤフオク!で販売していく。

ブックオフの中古本をヤフオク!で販売

 また、ブックオフのチェーン店をヤフオク!のリアル拠点としても活用。ブックオフ店舗内に「総合買取受付窓口」を7月に設置し、これまでブックオフでは取り扱っていなかったホビー、アパレル、ブランド品、雑貨などのジャンルに買い取りを拡大し、買い取った商品をヤフオク!に出品する。

ブックオフ店舗に買取受付窓口を設置
これまでブックオフで扱っていなかった商品を買い取り、ヤフオク!で販売する

 合わせて、ブックオフで行っている携帯電話の買い取りも強化。現在、ブックオフチェーン店全体で年間約15万台の携帯電話の買い取りを行っているが、常時100万台を目指し、これもヤフオク!での販売を進めていく予定。

携帯電話の買い取りも強化する

 ヤフーとブックオフでは2015年度中をめどに、日本最大級のリユースセンターを開設。ブックオフ店舗で買い取り、ヤフオク!で販売する商品の一部をセンターに集約するとともに、将来的にはBtoBマーケットプレイスやフルフィルメントサービスの拠点としての活用も検討する。

両社でリユースセンターを開設

 ヤフー代表取締役社長の宮坂学氏は、「ヤフ!OFF」というキーワードを示し、「店舗の名前をこのように変えるということではないが、両社でリユース革命を進めていく」と説明。オフラインのリユースナンバーワンのブックオフと、オンラインのリユースナンバーワンのヤフオクが提携することにより、リユースの市場そのものを拡大していきたいとした。

 ブックオフ代表取締役社長の松下展千氏は、「リアル店舗で買い取った商品の新しい持ち主を見つけるには、商圏の限界、売れ残りが出てしまうという問題がある」として、商品をヤフオク!でも販売することで販売機会を増やしていくと説明。両社が提携に向けて行ったテストでは、ブックオフの店舗で100円で販売していたネオジオのゲームソフトが、ヤフオク!では7万4000円で売れたといった事例を紹介し、商圏を全国に広げることでさらにリユースを進めていきたいとした。

ヤフーの宮坂学社長
「ヤフ!OFF」をキーワードに、両社でリユースを進めると説明
ブックオフの松下展千社長

(三柳 英樹)