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米Symantecが会社分割、2015年12月には「セキュリティ」「データ管理」の2社へ
(2014/10/10 10:13)
米Symantecは9日、2つの上場会社へと会社分割する計画を取締役会が満場一致で承認したと発表した。1社は「セキュリティ」を、もう1社は「インフォメーションマネジメント」を本業とする。
Symantec社長兼CEOであるMichael A. Brown氏は「セキュリティと情報管理の両方で勝利するためには、明確な戦略、集中投資、市場進出によるイノベーションが必要であることが明らかになってきた」と理由を説明している。
会社分割によってそれぞれのビジネスが株主価値を増加させるために必要な成長性と柔軟性を提供できると考えているという。なお、新会社の名称などは明らかにされていない。
会社分割はSymantec株主に対する非課税の割当として行われるが、その分配比率は今後決定される。分割は2015年12月までに完了予定としている。
セキュリティ事業を担当する新会社は、「Norton」を含むSymantec製品から収集する情報をもとにした統合セキュリティプラットフォームを提供。サイバーセキュリティサービスを成長させ、Norton関連製品を統合し、セキュリティ製品ポートフォリオを簡略化することを主な戦略とする。
このセキュリティ事業の売上は、2014年度に42億ドルだった。同事業が担当する分野として、消費者および企業向けエンドポイントセキュリティ、エンドポイント管理、暗号化、モバイル、SSL証明書、ユーザー認証、メール、ウェブ、データセンターのセキュリティ、データ損失防止、ホステッドセキュリティ、マネージドセキュリティサービスとなる。
一方、インフォメーションマネジメントを担当する新会社の戦略としては、顧客のインフォメーションマネジメントソリューション製品にイノベーションを起こすことで、オンプレミスソフトウェア、統合アプライアンス、クラウドといった選択肢を顧客に提供することを挙げている。また、データ管理のTCOを劇的に削減するソリューションを提供し、組織内データの視覚化、管理、制御機能を実現する。
インフォメーションマネジメント事業は、2014年度の売上が25億ドルだった。担当する分野はバックアップとリカバリ、アーカイブ、電子情報開示、ストレージ管理、情報可用性ソリューションとなる。
Symantecの社長兼CEOには引き続きMichael A. Brown氏が、CFOにはThomas Seifertが務める。また、インフォメーションマネジメント事業については、John Gannon氏がゼネラルマネジャーに就任する。Gannon氏はかつて米HPのコマーシャルPCビジネス部門の指揮、米Quantumの社長兼COOを務めた経歴がある。CFOにはDon Rath氏が就任する。
IT業界では会社分割の発表が続いている。米eBayは9月30日、決済サービスの米PayPalを分離すると発表。10月6日には、米HPがPC・プリンター部門と企業向けビジネス部門とに分割する発表をしている。