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セキュリティの基本的対策をしていないユーザーが3割程度存在、IPAが再確認呼び掛け

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2日、セキュリティに対する意識調査の結果では、基本的な対策を実施していないユーザーが3割程度存在するとして、セキュリティに対する認識を深めて、インターネットを安全に利用するための対策を再確認する呼び掛けを行った。

 IPAが行った「2014年度情報セキュリティの脅威に対する意識調査」によると、Windows Updateなどのアップデートを実施している人は約67%、ウイルス対策ソフトを導入している人は約74%となり、未実施のユーザーが3割程度存在。IPAの安心相談窓口に寄せられるウイルス感染や不正アクセスに関する被害でも、基本的な対策ができていれば被害に遭わずに済んだと考えられるケースが多くあり、実態を表した数値と考えられるとしている。

 意識調査では、JavaやFlash Playerなどのバージョンアップを行っていないユーザーに理由を尋ねたところ、アップデートの方法が分からないとする回答が約10%あった。IPAでは、PCにインストールされているソフトが最新状態であるか、どのようにアップデートを行えばいいかを確認できるツール「MyJVN バージョンチェッカ」を提供しており、このツールを活用したバージョン管理実施を推奨している。

 また、PCのデータのバックアップを取っているという回答は約48%に過ぎなかったとして、定期的なバックアップを行うことを呼び掛けている。定期的なバックアップは、HDDの故障や何らかの理由でPCを初期化する場合も役立つとともに、データを勝手に暗号化して金銭を要求する「ランサムウェア」の被害に遭った際の対処法としても有効だとしている。

 このほか、スマートフォンの画面ロック機能については、利用しているという回答は22.9%で、8割弱の人が画面ロックを設定していないという結果だったことを紹介。スマートフォンは電話やメールだけでなく多くの個人情報が保存されており、常時持ち歩くために外出先での紛失や盗難といったリスクも多く、情報漏えい防止のために画面ロック機能は必ず設定しておく必要があるとしている。

 IPAでは、昨今は不審さが感じられないウェブサイトにウイルスが仕込まれている場合があり、対策を適切に実施していない場合は、閲覧しただけでウイルスに感染してしまうという被害のリスクがあると説明。安全にインターネットを利用するためには対策の実行が必要不可欠だとして、サイバーセキュリティ月間を契機として情報セキュリティに対する認識を深め、対策内容を再確認し、安全にインターネットを利用するよう呼び掛けている。

(三柳 英樹)