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Amazon「KDP」対抗、楽天Koboの「KWL」が本格スタート、固定費無料でロイヤルティは最大70%

 楽天株式会社の子会社で電子書籍事業を展開するカナダのRakuten Koboは30日、電子書籍のセルフパブリッシングサービス「楽天Koboライティングライフ」(以下、「KWL」)の本格提供を同日より開始した。

 KWLにユーザー登録した個人や出版社が、EPUB3フォーマットの電子書籍データをアップロードし、書誌情報や価格などを入力すると、一定の審査を経た後、「楽天Kobo電子書籍ストア」で販売できるようになる。実際に電子書籍が売れると、個人・出版社にロイヤルティ(著作料)が入る仕組み。

 KWLのロイヤルティは販売価格によってレートが設定されており、80円~298円の場合が45%、299円~10万円の場合が70%。なお、パブリックドメインの電子書籍は販売価格にかかわらず20%。

 KWLへのユーザー登録は無料で、提供されるすべてのツールも無料で利用可能。すなわち、固定費がかからないのが特徴だ。作品のプロモーションなどのために電子書籍の価格を無料(0円)に設定して提供することも可能。

 Koboでは同様のサービスを世界160カ国以上・約80言語で展開しており、登録ユーザー数は約4万人に上るという。日本では2014年12月からベータ版サービスとして運用。今回、発売日より前に予約注文を受け付けることができる「予約販売機能」を追加し、本格サービスとして提供を開始したかたちだ。

 電子書籍のセルフパブリッシングサービスとしては、Amazonの「Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)」が有名。KWLは、その対抗サービスと言える。

 KWLの本格サービス開始に合わせ、株式会社インプレスが30日、KWLで電子書籍の販売を考えている人に向けた公式ガイドブック「楽天Koboライティングライフ公式ガイド」(村上俊一著)の電子書籍版を発刊した。価格は800円(税別)。同日より、「楽天Kobo電子書籍ストア」で独占先行販売している。

(永沢 茂)