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「楽天デリバリー」がテイクアウトサービス、帰宅中にスマホで注文、地元に着いたら即受け取り
(2015/8/21 06:00)
楽天株式会社は20日、出前・宅配注文サイト「楽天デリバリー」において、新たにテイクアウトサービスを開始した。スマートフォンから注文し、時間を指定してスムーズに店舗で受け取れるのが特徴。当初は、東京23区内のサービス加盟店約600店舗で利用できる。
スマホから直前注文OK、国内唯一の“テイクアアウトポータルサイト”
楽天デリバリーは出前・宅配注文のポータルサイト。大手チェーンを筆頭に、全国約7500店舗が参画しており、客は自宅や職場を届け先に指定し、注文するだけで食事をデリバリーしてもらえるのが特徴。
今回スタートする新サービスは、楽天デリバリー内のいちメニューという位置付けだが、客が店頭に足を運んで注文品を受け取る方式となる。なお、開始時点ではスマートフォンからのみ注文できる。
注文から最短どのくらいの時間で受け取れるかは、ウェブサイト上で注文前に確認できる。この設定は店によって異なるが、おおむね「30分後受け取り」を基本としつつ、店側が繁忙度に応じて任意に調整する仕組みとなっている。
現時点のサービス対象店舗は、東京23区内の約600店舗。カレーハウスCoCo壱番屋、PIZZA-LA、VivaPaella、柿家鮨、ナポリの窯、茶月もつ真路、バーガーキング、神田明神下みやび、クア・アイナなどのほか、チェーン展開していない小規模店も多数含まれる。
テイクアウトの注文にあたって、手数料などは基本的にかからない。また、注文金額に応じて楽天スーパーポイントが貯まる。決済手段は店舗によっても異なるが、ウェブサイト上で注文時にクレジットカード払いができるほか、店頭での現金支払いも受け付ける。
なお、楽天によれば、複数のテイクアウト店を比較できるポータルサイトは、現時点で楽天デリバリーが国内唯一だとしている。
デリバリーよりテイクアウト?! 潜在ニーズに関係者が期待
20日には、都内で記者向けのサービス発表会が開催された。楽天株式会社常務執行役員の高橋理人氏は「帰り道に電車の中から夕食を注文し、最寄り駅の店舗でカレーやピザを受け取って、家に帰ってすぐに食べるということも可能になる。テイクアウトを通じて、食事の新しい消費形態が生まれるのではないか」と、新サービスの位置付けを説明した。
楽天デリバリーのテイクアウトサービスを導入する事業者側からは、「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する株式会社壱番屋の宮崎龍夫氏(取締役東日本本部長)が登壇。「弊社のデリバリー売上は、2012年の楽天デリバリー参画以来、右肩上がりが続いており、ネット注文率は50%を超えている。このネット注文の勢いがテイクアウトにも波及し、ひいてはお客様の利便性向上に繋がってほしい」と、期待感を示した。
同じく事業者として、宅配ピザチェーン「PIZZA-LA」を手がける株式会社フォーシーズの五月女弘史氏 (ピザーラ事業本部執行役員本部長)からは「宅配ピザ市場はここ数年で大きく動いており、各社ともテイクアウト施策を強化する傾向にある。売上の面でも十分な伸びしろがあると考えており、楽天と一緒に努力していきたい」とコメントした。
テイクアウトサービスの詳細については、楽天の中村雄氏(デリバリー事業副事業長)が解説した。「市場予測によれば、2015年度のテイクアウト市場は6.2兆円で今後も拡大傾向にある。また、私どもの調査の結果では、夕食で月1回以上テイクアウトを利用するのが46%だったのに対し、デリバリーは30%だった。つまり、テイクアウトのほうがニーズは高い」とし、今後の成長が期待できるという。
また、中村氏はテイクアウトならではのメリットとして、デリバリーよりも待ち時間が短いことを挙げる。「デリバリーを頼もうにも待ち時間が長くて諦めるケースもあるかと思うが、テイクアウトなら(客・店ともに)チャンスは広がる。移動中・帰宅中に注文して受け取るようにすれば、食生活全体の時間がより効率的になるのでは」と、忙しい社会人にも適したサービスであると訴えた。