レビュー
1680万色に光るルータは美しいのか?ASUS のゲーミングルータ「ROG Rapture GT-AC2900」レビュー
最大2167Mbpsの11ac対応、QoSなどのゲームブースト機能も魅力
2019年9月12日 10:00
ASUSのゲーミングルーター「ROG Rapture」シリーズに、ROGロゴ以外の部分もLEDによって光らせることができる「GT-AC2900」が加わった。1680万色以上のカラーの組み合わせと5つのプリセットパターンを設定可能な「AURA RGBライティング」機能を備えた製品だ。
LEDイルミネーション機能対応のデュアルバンドWi-Fiルーター
GT-AC2900は、IEEE 802.11ac/n/a/g/b対応のデュアルバンドWi-Fiルーター。Broadcomの通信高速化技術「NitroQAM」に対応し、最大通信速度は5GHz帯接続時に2167Mbps、2.4GHz帯接続時に750Mbpsという仕様だ。CPUはデュアルコアで1.8GHz動作のBroadcom 4906、メモリはDDR3 512MBで、256MBのフラッシュメモリも搭載されている。
本体に備えられたRGB LEDは、1680万以上のカラーと5通りの発光パターンを組み合わせたイルミネーションを、ルーターの管理画面から設定可能だ。設定をすると、WANやWi-Fiの接続状態を表わすLEDも一緒に光るようになっている。実際に光らせてみると、ゲーミングデバイスに負けない光り具合で、光物好きなゲーマーに打って付けなイメージだ。本体側面のボタンに機能を割り当てれば、簡単に無効にもできるので、気になるときはオフにしてもいい。
ASUSのイルミネーション機能には、デバイス間で連動できる高機能な「Aura Sync」があるが、本製品は非対応。デスクトップPCやノートPC、ディスプレイやゲーミングデバイスなどの製品とイルミネーションを連動可能なので、対応していればより統一感を出せる。今後の製品では期待したいところだ。
アンテナの本数は、外部3本、内蔵1本の計4本。複数のWi-Fi子機を接続したときに速度低下を防ぐMU-MIMOにも対応している。推奨利用環境は、戸建てなら3階建て、マンションなら4LDKまでで、推奨接続台数は最大21台程度とされる。ASUS製のWi-Fiルーターを組み合わせてメッシュネットワークを構築可能な「AiMesh」機能にも対応しているので、電波強度が低かったり、より広い環境で使いたいときにも対応できる。
筐体背面には、いずれもギガビット対応のWAN×1ポートとLAN×4ポートを装備。一番左の「ゲーミングLANポート」は、PS4、Xbox One、Nintendo Switchなどのコンソール機の接続に最適化されているほか、ポート1とポート2はリンクアグリゲーション(LAG)にも対応している。その他のインターフェースはUSB 3.0ポートとUSB 2.0ポートが各1基で、筐体左側には電源ボタンも備えている。
筐体の右側面には、Wi-Fi子機との接続に使う「WPS」ボタン、無線機能をオン/オフできる「WiFi」ボタン、本体を出荷時の設定に戻す「RESET」ボタン、イルミネーション機能をオン/オフできる「LED」ボタン、設定から機能を割り当てられる「ブーストボタン」の5つが配されている。
設置は、本体下部にスタンドを付け、立てた状態で設置できるだけでなく、壁掛けにも対応する。壁への穴あけこそ必要になるが、設置場所に困ったときには有用だろう。
多数のゲーム向け機能を備えつつ、最初のセットアップは簡単
初期セットアップは、ウィザードに沿って進めれば慣れない人でも簡単に行えるようになっている。手順としては、本体の電源投入後に表示されるWi-Fiアクセスポイント「ASUS_50」につなぐか、有線LANで接続してから、ウェブブラウザーに「http://router.asus.com」または「192.168.1.1」を入力するとウィザードが表示される。インターネット接続に必要なISPの情報などを入力していこう。
セットアップの最後に「ブーストボタン」の設定を行うが、「Enable GameBoost」「DFSを含むチャンネルの自動選択」「Aura Shuffle」「GeForce Now」の4つから機能を割り当てられる。パケット処理の優先度を変更してゲーム向けの通信を高速化する「Game Boost」を使いたければ「Enable GameBoost」を選択しよう。「Aura Shuffle」はイルミネーションの発光パターン切り替え機能となっている。
初期設定を終えた後、ウェブブラウザーからIDとパスワードを入力して設定画面にアクセスすると、より詳細な設定が行えるようになる。まず表示される「Dash Board」では、ネットワーク接続やトラフィックの状況を確認できるほか、イルミネーションやブーストボタンの設定も可能だ。さらに、ゲームごとのPingの状態を表示する「ゲームレーダー」も設けられている。
通信を高速化できる「Game Boost」は、「Game Acceleration」のメニューにも項目があり、ボタンに機能を割り当ててオン/オフできるほか、設定画面からも有効/無効を切り替えられる。
「Game Acceleration」では、QoSの設定が行える。ゲームやストリーミング、ブラウジングなどのプリセットを用いて、通信の優先度を設定できるほか、自分でルールをカスタマイズもできる。また、ブーストボタンに割り当て可能なAdaptive QoS設定や、GeForce NOW向けの設定項目も用意されている。
また、独自開発の「GPN(ゲーマー・プライベート・ネットワーク)」を用いたVPN機能「wtfast」も利用できる。アカウントを作成すれば、VPN接続によってパケットの損失を防ぐとともに、通信を高速化できると謳われている。
充実のLEDイルミネーション機能
LEDのライティング機能は、「Dash Board」タブから設定できる。前述の通り、1680万以上の色数と11通りの発光パターンを選んで設定可能だ。ROGのマザーボードやゲーミングデバイスと同じ感覚でイルミネーションの設定ができるので、ROGユーザーなら、すぐにお気に入りの設定が行えるだろう。
イルミネーション設定の中の「イベント」を選択すると、特定の状況でイルミネーションが変化する。Game Boost有効時に赤の「Breathing」で知らせてくれたり、レインボーカラーでトラフィック状況を通知してくれたりと、状況の変化を把握できるので、使い方次第では便利な機能と言えるだろう。
派手なイルミネーション機能が苦手な人も少なからずいると思う。そういった場合は、本体のスイッチだけでなくこの設定からもLEDをオフにすることが可能となので、イルミネーション機能が不要な人は活用するべし。
イルミネーションの光り方は、実際に見てみないとイメージが湧かないため、動画でも撮ってみた。華やかに光るゲーミングPCと並べても負けない光り具合で、派手物好きな人にはお勧めできそうだ。
光物好きなゲーマーにお勧め
GT-AC2900は、ありそうでなかったイルミネーション機能を搭載するWi-Fiルーターだ。ゲーミング製品の多くがRGB LEDを搭載し、それが常識ともなりつつある中で、魅力的な製品であることは言うまでもない。
Wi-Fi 6こと11ax対応製品がすでに発売されている現在、11acまでの対応となる本製品は、機能的にはハイエンドモデルとは言えないものの、5GHz帯接続時で2167Mbpsと十分高速だ。本製品が話題になっているがゆえに、RGB LEDの搭載がさらに広がる可能性もあり、今後が楽しみだ。
デバイスしかりPCしかり、光物というとイルミネーション以外の機能が微妙な製品も多々あるが、高機能かつ高性能で有名なASUS製なので、そうした心配はない。ゲーミングに関する各種機能や、セキュリティ機能「AiProtection」など、多くの機能を有しているので、さまざまなユーザーのニーズにも応えられる製品だ。
「TOKYO GAME SHOW 2019」にASUS JAPANが出展
ASUS JAPANでは、9月12日から15日まで幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される「TOKYO GAME SHOW 2019」にゲーミング家具ブランド「Bauhutte(バウヒュッテ)」と共同出展を行い、各種ゲーミングWi-FiルーターなどROGブランドの製品を展示する。「GT-AC2900」をはじめとしたROG製品を実際に体験できるチャンスだ。展示ブース番号は「8-N06」となる
(協力:ASUS JAPAN株式会社)