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「久々にパソコンを買う人」のためのPC購入ガイド ~格安ノートから中古まで~
Windows 7のPCはもう使えない……
2020年1月14日 06:35
Windows 7は本日、1月14日を最後にサポートが終了する。しかし、互換性の問題や、使い慣れた環境から移行したくないユーザーなど、まだ使っている利用者も多いようだ。
しかし、影響が極端に大きなトラブルが発生しない限り、今後はセキュリティ改善のアップデートは提供されなくなってしまう。巧妙なネット犯罪が激増する状況でWindows 7搭載PCを使い続けるのは、目隠しでクルマを運転するようなものだ。
今後もPCを使い続けたいなら、早急にWindows 10搭載PCへの乗り換えが必要になってくるが、とにかくPCはラインナップが多い。「久々にパソコンを買う」という場合は、どれを選んだらよいのか分からない場合もも多いだろう。
そこで今回は、いくつかのニーズや価格帯にマッチしたWindows 10搭載のオススメPCを紹介していこう。
ノートPCはローエンドクラスでも使い勝手が向上
Windows 7が登場した当時のローエンドノートPCと言うと、Intelの低消費電力CPU「Atom」シリーズを搭載した「ネットブック」、あるいは「ミニノートPC」を思い出すユーザーは多いかもしれない。その多くは4~6万円で購入でき、確かに安かった。
しかしAtomシリーズの性能は、一般的なノートPCに搭載されていたIntelのモバイル向けCPUと比べるとかなり低かった。またコストを抑えるために、メモリやストレージの搭載容量も少なかったせいで、本当に最小限の作業しか行なえなかった。
しかし最近のノートPC向けCPUは、処理性能やグラフィックス性能の底上げが著しいこともあり、書類作成やWebブラウザを利用した情報収集、Webブラウザゲーム程度の基本的な作業であれば、低価格なローエンドノートPCでも十分にカバーできると考えてよい。
とはいえ「安ければ何でもいい」、というわけでもない。いまでも2万円前後の激安モデルは、それなりの性能でしかないからだ。ビジネスマンや学生がきちんと使えるレベルの性能を期待するなら、やはり6、7万円の予算を考えるべきだろう。
この価格帯のノートPCには、Intel製なら「Core i3」、AMD製なら「Ryzen 3」というCPUが搭載されていることが多い。どちらも複数のコアを内蔵した高性能CPUであり、内蔵するグラフィックス性能も十分だ。
Windows 10を快適に利用したいなら、メインメモリは8GBを目安に考えたい。6、7万円のノートPCだと4GBというモデルもまだ多いので、注意したいポイントの一つである。またOSやファイルを保存するために利用する「ストレージ」については、「SSD」(Solid State Drive)を搭載するモデルがオススメだ。
SSDは、同じくノートPCに搭載されることが多い「2.5インチHDD」に比べると、リード/ライト性能が圧倒的に高速で、Windows 10やアプリ、ゲームの起動が劇的に早くなる。衝撃にも強いので、ノートPCをぞんざいに扱っても壊れにくい。
SSDはWindows 7の頃はかなり高価であり、128GBクラスの小容量モデルがハイエンドPCに搭載されるような状況だった。しかし最近はかなり安くなっており、6、7万円前後の低価格なノートPCにも搭載されるようになってきている。
ローエンドモデルでは120~240GBモデルを搭載することが多いが、余裕を持って利用したいなら、240GBモデルがオススメだ。ただ容量が足りなくなったとしても、USB 3.0対応の外付けHDDやSSDを追加すればフォローできる。こうした増設や換装が難しいCPUやメモリの容量に比べると、柔軟性を持って選択できるポイントと言える。
液晶ディスプレイは14~15型パネルを搭載するモデルがほとんどなのでほぼ選択肢はないが、解像度はモデルによって変わってくる。フルHD(1,920×1,080ドット)パネルが主流だが、解像度が低いパネルを搭載するモデルも多い。解像度が高ければ高いほど精細で美しい文字や写真を表示できるので、可能ならフルHDモデルがオススメだ。
また、安く高性能なモデルを購入したいなら、世代が一つ古いモデルも狙い目だ。とくにデルやHP、レノボといった直販サイトを運営しているメーカーだと、新製品への移行期にそうしたモデルを安く販売している。またセールや値下げキャンペーンも頻繁に行なっているので、こうした情報も普段からチェックしておきたい。
「できるだけ安く」なら直販デスクトップPCもBTOで必要な部分を強化可能
できるだけ安くPCを購入したいのであれば、デスクトップPCという選択肢もある。液晶ディスプレイは必要になるが、今までデスクトップPCを使ってきたのなら、古い液晶ディスプレイを流用すればよい。ノートPCと比較すると、同じ価格帯ならデスクトップPCのほうが若干性能が高めだ。
予算感としては、おおむね6万円前後を想定するとよいだろう。DellやHP、レノボ、マウスコンピューターなどの直販メーカー、そしてドスパラやツクモ電機といったショップブランドから、豊富なラインナップが提供されており、自分の好みにあわせて選択できる。
この価格帯のモデルに搭載されているCPUは、IntelのCore i3かAMDのRyzen 3という状況で、これはノートPCと変わらない。8GBのメモリやSSDを搭載するモデルがオススメと言うのも同じだ。また、こうした直販メーカーやショップブランドのデスクトップPCは、必要に応じてスペックを変更して購入できる「BTO」という仕組に対応する。
たとえばドスパラの「Magnate IE」は、CPUがCore i3-9100、メモリは4GB、ストレージは無料アップグレードで250GBのSSDを搭載するミニタワータイプのデスクトップPCで、直販価格は54,978円。メモリが足りないので8GBに変更すると、62,018円だ。
大容量のファイルを扱う機会が多いので容量の大きなSSDにしたり、2TBのHDDを追加するといったことも可能。また、こうした「ミニタワー」や「ミドルタワー」と呼ばれる長方形の筐体を採用するデスクトップPCは、ノートPCと比べると拡張作業の難易度が低い。将来的に機能を拡張したくなったときでも、気軽に機能を追加できるというメリットがある。
中古PCならCore i7やCore i5搭載モデルを狙おう
安くPCを購入したいなら、「中古PC」という選択肢もある。中古PCと言うと、「たばこのにおいが付いた古くさいPC」というイメージを持っている人もいると思うが、最近はかなり事情が異なる。
買い取り後に専用のリフレッシュ工場でしっかりとメンテナンスや清掃が行なわれ、新しくWindows 10をインストールされたモデルが主流になっているのだ。
短期間ながら保証期間を設定している中古PCショップも多く、万が一購入した中古PCが故障しても、無償で修理を依頼できる。新品と同じレベルとまではいかないが、十数年前に比べると中古PCの信頼性は大きく向上している。
「中古PCではWindows 10がまともに動かないのでは?」という心配があるかもしれない。しかしWindows 7とWindows 10は、ハードウエアの基本的な利用条件を示す「システム要件」がほぼ同じだ。少なくとも5年くらい前までのPCであれば、Windows 10は普通に動作する。
とはいえ、さすがに「5年前のローエンドモデル」だと厳しい。CPUについては、「Core i5」や「Core i7」など、当時はミドルクラスからハイエンドクラスだったCPUを搭載するモデルを選びたい。そうしたCPUであれば、最新世代のミドルレンジよりちょっと低いくらいの性能は発揮できるので、Windows 10はきちんと動作する。
具体的には、Core i7/i5の4xxx番台や5xxx番台を搭載するノートPCやデスクトップPCが3~5万円前後で購入しやすく、そして製品数も比較的多めだ。3xxx番台や2xxx番台など、これより古い世代のCPUを搭載する中古PCもあるが、さすがに古過ぎてWindows 10の利用も厳しくなるし、そもそも製品数が少ない。
中古PCを購入する場合、まずは秋葉原などの電気街にある中古ショップをチェックしてみよう。実機を見て状態を確認できるメリットがあるので、一番のオススメだ。このほか、ネット通販でも中古PCは購入できる。メーカー名や液晶画面のサイズ、細かいスペックなどで検索をかけられるのでこちらも便利だ。
ただ、中古PCは一期一会だ。迷っているうちに、ほかのユーザーに買われてしまうことはある。同じ型番の同じスペックのPCでも、状態に差があることはある。きちんと下調べをした上でのことではあるが、気に入ったモデルを見付けたらすぐに確保するくらいの覚悟で探したい。