特集
ネットワーク機器メーカーに聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」【2022年版】
今年の注目は?
2022年1月1日 07:00
新年明けましておめでとうございます。
新年といえば去年の振り返りと今年の展望。「メーカーから見た去年の売れ筋ネットワーク機器」や「今年の意気込み」が気になる人も多いはず。
そこで今回、ネットワーク機器を取り扱うメーカー各社に「2021年にヒットした製品」や「2022年の意気込み」をお伺いし、お寄せいただいたコメントをそのまま掲載します。
掲載順はブランド名50音順です。各社が力を入れている、そして今後入れていくポイントや今年の意気込みなど、なかなか興味深いコメントもあるので、気になるメーカーがある方はそこを、全部読みたい方は頭からどうぞ。
ASUS JAPAN株式会社 OP マーケティング部 マーケティング部長 佐藤 秀樹氏
●2021年にヒットした製品を教えてください
v6プラスに対応したことで「Wi-Fi 6ゲーミングルーター」の不動の地位を更に強固とすることができました。その立役者は安定性と耐久性を備えた「TUF」シリーズ第二段のゲーミングルーター「TUF Gaming AX5400」です。
従来のゲーミングルーター機能「ゲーミングLANポート」、「ゲームブースト」、「モバイルゲームモード」などがv6プラスに対応したことで、更なる安定性と速度を兼ね備えた真のゲーミングルーターになったと自負しています。
v6プラス接続では混雑時でも安定して高速な通信速度が確保できるのはもちろん、レイテンシも有利になることが体感頂けると思います。その効果を本INTERNET Watch記事にてもテスト実証していますので、是非ご確認ください。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
ミドルレンジヒット製品(価格.comプロダクトアワード2020パソコン周辺機器部門無線LANルーター金賞受賞)のRT-AX3000の後継機種『RT-AX3000 V2』が来年早々に発売されます。また高い評価を得ている『RT-AX86U』の後継機種、発売中ゲーミングルーター『RT-AX86S』も是非検討していただければと思います。
一方、ゲーミングルーターのみならず、メッシュルーターにも注目してほしいです。Zenブランドシリーズのメッシュルーターはハイエンド『ZenWiFi AX (XT8)』『ZenWiFi AX(XD6)』から、ローエンド『ZenWiFi AX Mini (XD4)』まで揃えていますので、多彩な組み合わせで是非一家のWi-Fi6ネットワークを構築して頂きたいですね。
●2022年の意気込みを教えて下さい
これまでと変わらず、最新の機能をどこよりもいち早くルーターに取り入れます。
既存ASUSルーターでメッシュを構築できる『AiMesh』や家庭内の接続機器をしっかり守るセキュリティ『AiProtection』などがその代表的な例です。次世代新規格ルーターも日本で一番初めにお届けできるよう努力しますので、是非ご期待ください。
●読者に一言どうぞ
将来を見据えての長期間使用を目的としたWi-Fi 6ルーターをお探しの方はASUS Wi-Fiルーター 記事一覧、または、ASUSルーター専門サイトをご覧ください。
QNAP株式会社 プロダクトマーケティング マネージャー 原 幸人氏
●2021年にヒットした製品を教えてください
本年はオールフラッシュアレイであるTS-2490FUや、Thunderbolt3接続に対応したTVS-872XTなどで多く引き合いをいただきました。
10Gを提供するISPの増加や、5Gの普及が進んでおり、一層多くのデータが生成、処理され、保存されるようになってきています。扱うデータ量が増加するとともに、25G、10Gといったより高速なストレージが求められました。
また、高速なストレージとともに、インフラストラクチャである10G L2マネジメントスイッチも引き合いが多くなっております。VLANにも対応しているため、より高速、より効率よくネットワークを管理していただくことが可能です。インフラストラクチャの部分がボトルネックになることを避けるため、今後もより一層の高速化が期待されると考えます。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
HDMIポートを搭載し、Thunderbolt3への拡張性を備えた、TVS-h1288X/TVS-h1688Xは、クライアントPCにもThunderboltポートを搭載している機種が増えてきたことから、お客様からの引き合いが非常に多いです。
特にこの機種はSATA, NVMeのSSDを搭載できるので、SSDキャッシュを有効にし、SSD/HDDのハイブリッドストレージとしてパフォーマンスと容量を両立してご使用いただくケースが多いです。
また、引き続きリモートワークが続く環境の中で、手軽にSD-WANを構築できるQhora-301Wも多くのお客様に支持されています。WiFi-6、SD-WAN、10Gbpsとリモートワークに必要なネットワークはこれ1台でそろえていただくことが可能です。
●2022年の意気込みを教えて下さい
5Gや、10Gbpsインターネットエリアの拡大、Wi-Fi 6がより普及すること、またSSDの大容量化、PCでのThunderboltポート標準搭載といった背景から、より高速なストレージが必要とされると考えます。HDD、SSDそれぞれの特徴、パフォーマンスを活かした製品をご用意し、お客様のビジネスをサポートできればと考えます。
また、CTO/QCSSというサービスも開始いたしましたので、導入のしやすさ、メンテナンス性の良さといったところもしっかり広めていきたいと考えます。
●読者に一言どうぞ
弊社は、高速、高信頼なストレージをご提供するため、日々開発を続けております。オールフラッシュのカテゴリでは、SSDのTBW/DPDWが同時に限界値に到達することを避けるための仕組みであるQSALに対応いたしました。
また、リモートワークが実施される中でより軽量なVPNプロトコルが求められ、WireGuardへの対応も行いました。今後も皆様の生産性向上に寄与する製品をリリースいたします。引き続きQNAPをご愛顧ください。
Synology Japan株式会社 代表取締役社長 Jones Tsai氏
●2021年にヒットした製品を教えてください
リモートワークの需要が継続している中、Synology NASは単なるストレージだけでなく、ビジネスにおけるファイル管理と共有にも役立つため、中小企業の昨今の課題に対応する最適なソリューションとして好評を博しております。
特に注目を集めたのは小型でパワフルなDS220+とDS920+です。自社開発のアプリケーションと共に運用することで、個人のみならず、中小企業も簡単にファイルサーバーとして利用できるため、ビジネスユーザーの関心を集めました。さらに、新しいDSM 7.0はUI改良から機能追加、性能向上など全面的に進化し、ユーザーの皆様にさらなる快適なNAS体験を提供します。
そのほか、監視ソリューションにおいて、DVA3221はAIを活用した分析機能を提供し、ご好評をいただいております。
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
Active Backup for Business(ABB)とSynology Driveも人気を集めました。
ABBは標準搭載のバックアップ機能であり、ライセンスフリーで直ぐに導入できます。直感的な管理ポータルと導入の手軽さは、特にリソースと資金が限られている成長中の中小企業に高く評価されています。また、便利なファイル同期アプリSynology Driveは複数拠点間での共同作業において大活躍しており、企業のリモートワークを支援しています。
ネットワークにおいては、新型コロナウィルスの影響を受け期間限定で無償提供を始めたVPN Plusは、去年から永続的に無償で提供することになりました。今年はソフトウェアの更新によりVPN機能をさらに強化する予定ですので、乞うご期待ください!
●2022年の意気込みを教えて下さい
ついに今年、待望の新型ルーターを発売予定です。専用OSであるSynology Router Manager 1.3のリリースも予定されています。ネットワーク分離による複数ネットワークと複数SSID対応などの機能強化により、より柔軟で強力かつ安全なネットワークソリューションとなります。
YouTubeチャンネルの開設に続いて、ついに公式Twitterアカウントも開設しました。当社の製品やサービスに関する有益な情報やお得なキャンペーン情報など随時発信していきますので、ぜひフォロー願います!
●読者に一言どうぞ
新年明けましておめでとうございます!2021年も多くの読者の皆様とユーザーの皆様に応援いただき、誠にありがとうございました。
今年はストレージはもちろん、ネットワークと監視ソリューションにおいても、ユーザーの皆様がワクワクするような新機能と新製品を多数予定しております。新製品の発表以外にも、ビジネスにおけるNASの運用方法やデモ動画、利用シーンに合わせた解説など、様々な情報をSNSを通じて発信していきますので、ぜひご注目ください。今年も引き続き、よろしくお願い申し上げます!
ネットギアジャパン合同会社 マーケティング 幸田彩希氏
●2021年にヒットした製品を教えてください
2020年に引き続き、Orbi WiFi 6を中心にメッシュの売り上げが好調でした。特に今年は、3台、4台、追加サテライトなど、台数を増やす方が多かったです。
6月に実施した顧客調査では、メッシュの選択理由として、1位「範囲を広げたい:55%」、2位「速度を向上させたい:40%」となっており、子供部屋、書斎、リビングと、大容量通信を行う範囲が拡大していることがヒットの背景として考えられます。
弊社ではOrbiの他に、Nighthawk黒のメッシュ、さらにWiFi 6メッシュ中継器も取り揃えています。10ギガ回線を契約する際、回線業者のルーターがマストの場合もありますが、Nighthawkのメッシュ中継器EAX80であれば、4804Mbpsのまま無線を拡張できますので、ぜひチェックしてみてください!
●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?
最近、テレビでも取り上げられている、Meural(ミューラル)シリーズに注目していただきたいです。
Meuralは、ご自宅のWiFiに接続して使用するデジタルキャンバスで、クラウド上にある3万点以上の作品やご自身で撮影した写真の中から、自分だけのお気に入りのプレイリストを作成し、美しいキャンバス上で楽しむことができます。
15、21、27インチの3サイズ展開で、ユーザー様の中には、ご両親が27インチを、独立してご家庭のある息子さんは21インチを、海外に住む娘さんは15インチをそれぞれ所有し、互いのキャンバスに写真を送りあって近況報告をしたり、思い出の写真を楽しんだりしている方もいらっしゃいます。
家族のことを想うからこそ離れている今、ぜひMeuralを使って、皆様の笑顔を送りあってください。
●2022年の意気込みを教えて下さい
今年はWiFi 6E、5Gなど、新技術の製品を出したいです。
パンデミックが終息しても私達の生活が完全に元に戻ることはなく、今後も場所にとらわれない暮らし方が求められます。そのためには、家でも外でも高速通信を実現する製品が必要です。本国アメリカでは、2020年からNighthawkの5Gモバイルルーター、2021年1月にWiFi 6Eルーター、2021年10月にOrbi WiFi 6Eと発売しています。日本では技適などの関係で同時発売ができませんでしたが、2022年こそは関係者に働きかけ、発売を実現したいと考えています。
●読者に一言どうぞ
ネットギアは「全てのものをインターネットに繋ぐことにおいて、イノベーティブなリーダーであり続ける」ことをミッションに、25年間ネットワーク一筋で製品の開発、販売を続けて参りました。
水や電気と同様に今ネットワークは必要不可欠なインフラとなり、高速通信ができるからこそ、授業を受けたり、テレビを見たりすることができます。今後ネットワークをベースにした生活が拡大する中で、私達は最新技術の製品を提供し続けることをお約束するとともに、アメリカだけでなく日本でもNo.1ブランドとなることを目指して参ります。