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NEC、200Mbpsの電力線モデムで漏洩電波の低減技術を実験


 NECは12日、電力線搬送通信(PLC)の実証実験を開始したと発表した。PLCの実験では最速レベルとなる200Mbpsの高速モデムを使って、漏洩電波を低減する技術の実験を行なう。

 実験で使われるのは、NECのグループ会社である東洋通信機が開発したPLCモデム。PLC用の新チップを搭載することで、2~30MHzの周波数を使用して200Mbpsを実現するという。実験では、これにNECが開発する漏洩電波の低減技術を組み合わせるかたちとなる。

 国内ではPLCの高速化のために、従来よりも高い2~30MHzという周波数帯を開放することが総務省で一時検討された。しかし、電力線から漏洩する電波が同じ周波数を使う既存の無線システムと干渉するとの判断により、現在は漏洩電波の低減技術の開発目的に限定して高速PLCシステムの実験運用が認められている。すでに電力会社のほか、三菱電機や松下電工などが高速PLCにおける漏洩電波の低減技術の実験に取り組んでいる。

 一方、NECではこれまでアクセス回線系の技術としてVDSLやFTTHに注力してきたが、PLCも実用化されれば「エンドユーザーにとって大きな選択肢になる」と判断。集合住宅やビル内の配線のほか、家庭内LANに適用するための技術としてPLCの開発を進めることにした。NECは6月18日付で近畿総合通信局から実験用PLCシステムの使用許可を取得しており、大阪府茨木市内で2005年3月まで実験を行なう。


関連情報

URL
  NECのニュースリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0407/1203.html
  総務省「実験用高速電力線搬送通信設備の設置許可状況一覧」
  http://www.tele.soumu.go.jp/j/others/highfre/testlst.htm

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( 甲斐祐樹 )

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