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「Opera 7.53」(画像は英語版)
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ライブドアは、Webブラウザ「Opera 7.53」を7月30日から順次発売すると発表した。価格は7月30日発売のダウンロード版が5,040円、8月27日に発売となるパッケージ版が6,279円。広告付きの無償版も7月30日から提供する。Windows XP/2000/NT/Me/98/95に対応。Opera 7.xユーザー向けには無償のアップグレード版を用意。Opera 6.x以前のユーザーに対しては別途有償のアップグレード製品(1,575円)を提供する。なお、Mac OS版については開発が遅れており、ひとまず7月30日に無償のオープンベータ版が公開される。
Operaは、ノルウェーのOpera Software ASAが開発したWebブラウザ。ひとつのウインドウ内に複数のサイトをタブとして表示できる機能を装備する。Opera 7.50では、組み込まれたメールソフト「Opera Mail」でRSSの読み込み機能を搭載。RSS 0.9x/1.0/2.0といったバージョンをサポートする。また、IRCプロトコルによるチャットクライアントも搭載。相手のオンライン状況を確認できるコンタクトリストが利用できるほか、テキストによる顔文字を自動的に絵文字に変換する機能を実装した。DCC(Direct Client-to-Client)プロトコルに対応し、ファイル転送も可能だ。
最新版の7.53では、セキュリティベンダーのSecunia社が指摘したURLを偽装できる脆弱性を修正している。なお、Opera Software ASAのJon S. von Tetzchner CEOは、Operaのセキュリティについて、「Active Xなどセキュリティ上問題があると言われている技術に関しては、Operaへの導入を控えている」という。「OSとブラウザの融合はセキュリティ上危険なことも多く、OSとブラウザの切り離しは重要だ」との考えを示した。
● パッケージ版は1年間で5万本の販売を目指す
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ライブドアの堀江貴文代表取締役社長
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ライブドアの堀江貴文代表取締役社長は、「2年前からクアルコムのメールソフト『Eudora』シリーズを発売しており、Webブラウザでも優れたソフトを販売したかった」とコメント。「1年以上、Opera Software ASAと交渉した結果、PC版Operaの独占販売にこぎつけた」と経緯を語った。
販売に関しては、「Operaのパッケージ版は店頭販売が弱く、これまで累計で1万本程度しか売れていなかった」という。ライブドアは「Clone DVD」シリーズなどの店頭販売実績をもとに、1年目でパッケージ版を5万本販売する計画だ。また、ダウンロード版は10万ライセンスを目指すとしている。さらに、同社では企業向けにEudoraを提供していることから、法人Eudoraユーザー向けにOperaを販売する。こちらは、1年目で5万ライセンスの提供を目指すという。
堀江社長は、「マイクロソフトのInternet Explorerと比べて、機能面などでの強みもある。きちんとマーケティングすれば必ず売れるはずだ」とコメント。「今後は、携帯電話などへの搭載に向けてサポートしていく」とPC版Operaの独占販売だけに止まらない意気込みを述べた。
● 販売権移管はOpera社、トランスウエア、ライブドアで合意していた
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堀江社長(左)とOpera Software ASAのJon S. von Tetzchner CEO
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なお、ライブドアがトランスウエアから既存ユーザーの個人情報を引き継げなかったため、既存ユーザーがライブドアからのサポートを受ける場合は、Webサイト「livedoor Opera」で再度ユーザー登録する必要がある。登録料は無料だが、Opera6.xのユーザーはアップグレード製品を購入の上、登録しなければならない。
ユーザー情報を引き継げなかったトランスウエアからの販売権移管問題については、「元々、トランスウエアからOperaの販売をやめるという話を聞いたことが契機。2004年3月にトランスウエアのスタッフとノルウェーのOpera Software ASAを訪問して販売権の移管を最終的に決定した」(ライブドアソフトウェア事業部商品企画グループの尾形友秀シニアマネージャー)という。
堀江社長は、「販売契約を移管する際に、トランスウエアから『金を支払え』という話があった。もちろん、サポート体制の移行なども含めて実費を支払うことで話し合いを進めていたが、ニュースリリース時に突然手の平を返すように、販売権の移管だけで数億円規模の金額を支払えという話になった。たとえ、Operaを5万本売っても1億円の利益が出るかどうかという状況なのに大変非常識だ。当然無理と返答した」と説明。「もめるつもりはないが、トランスウエアが何を考えているのかわからない」とコメントした。
関連情報
■URL
livedoor Opera
http://opera.livedoor.com/
Opera Software ASA(英文)
http://www.opera.com/
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( 鷹木 創 )
2004/07/22 17:49
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