マカフィーは、2004年上半期における全世界の個人および企業ユーザーに感染したウイルスのトップ10を発表した。McAfee AVERT(Anti-virus and Vulnerability Emergency Response Team)が集計しており、いわゆるウイルスだけでなくスパイウェア/アドウェアなども集計対象に含む。個人ユーザーはスパイウェア/アドウェアに感染する傾向が強く、企業ユーザーはメール添付型のウイルスに感染する傾向があったという。
発表によるとトップ10の首位は、Webサイトを閲覧しただけでトロイの木馬を埋め込まれる可能性がある「Exploit-MhtRedir.gen」(※INTERNET Watchでは「Download.Ject」と表記)。2位には、キーボードの入力内容などを外部に送信するプログラムをインストールする「VBS/Psyme」がランクインした。次いで、「Adware-Gator」(3位)、「Adware-180Solutions」(4位)、「Adware-Cydoor」(5位)、「Adware-BetterInet」(6位)とスパイウェア/アドウェアが続く。また、上半期に猛威を奮ったウイルス「W32/Netsky.d@MM」(7位)、「W32/Netsky.p@MM」(8位)、「W32/Netsky.q@MM」(9位)、「W32/Mydoom.a@MM」(10位)もそれぞれランキングされている。
McAfee AVERTでは、「Exploit-MhtRedir.gen」と「VBS/Psyme」を「ユーザーが気が付かないうちに不正なシステムを作成し、PCにインストールする」としてスパイウェア/アドウェアに分類。個人ユーザーは、「ISPのウイルスメールチェックサービスなどを利用しているため」メールウイルスよりもこうしたスパイウェア/アドウェアに感染する比率が高いという。
一方、企業ユーザーは個人ユーザーに比べてメール添付型ウイルスに感染する比率が高いという。「社内でスパイウェアやアドウェアが組み込まれている可能性がある無料のソフトウェアを使うことが少ないため」と分析している。
McAfee AVERTのバイスプレジデントであるビンセント・ガロット氏は、「2004年上半期のウイルス、トロイの木馬、スパイウェア、ハッキングツール、パスワード盗用プログラムなどは、すでに2003年全体を上回っており、累計で10万近くの悪性コードが確認した」という。「2000年から2003年にかけてのウイルス増加率は毎年5%ずつ減少していたが、2003年から2004年にかけては、悪質なソフトウェアが20%増加し、今後はさらに増加率が高まる」と予想している。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.mcafeesecurity.com/japan/about/prelease/pr_04b.asp?pr=04/07/27-1
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( 鷹木 創 )
2004/07/29 15:55
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