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京都府警がWinnyユーザー3人逮捕、発売前の「少年ジャンプ」など公開


 京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室と五条警察署は18日、ファイル交換ソフト「Winny」のネットワーク上に週刊漫画雑誌の作品画像をアップロードしていた男性3人を、著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで逮捕した。

 逮捕されたのは、大阪府大阪市の会社員男性(29歳)、岩手県盛岡市のアルバイト男性(26歳)、東京都足立区の少年(17歳)ら3人。男性らは、「週刊少年ジャンプ」や「週刊少年サンデー」で連載中の作品をスキャンした画像ファイルをWinnyで配信していた。

 京都府警によると、男性らは2007年1月から4月までに、発売前の作品を含む漫画の画像を外部記録メディアに収録し、WinnyをインストールしたPCに入れ、不特定多数が画像をダウンロードできるようにしていた。漫画家が告訴し、捜査を進めていた。現在、作品の入手経路などについて調べを進めている。


「漫画が早く手に入ることを自慢したかった」などと供述

 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の発表によると、京都府警の捜査員が、サイバーパトロール中に男性らの違法アップロード行為を発見し、ACCSおよび出版社を通じて著作権者へ告訴意思の確認を行なった。出版社や漫画家は、創作活動を脅かす極めて悪質な行為であると判断し、今回は6人の漫画家が代表となって告訴したという。

 逮捕同日に行なわれた家宅捜索では、男性らの自宅から、パソコンやスキャナー、漫画などが押収された。また調べによると、男性らは、違法行為であることを知りながら、アップロードを続けていたことを認めている。

 大阪府大阪市の会社員男性は、2007年1月31日から4月5日までに、週刊少年サンデーで連載中の井上和郎作「あいこら」2話分と、椎名高志作「絶対可憐チルドレン」の1話分を配信した。男性は、「注目を浴びたかった。たくさんダウンロードをさせてもらっていたので、“お返し”にアップロードをした」と供述している。

 岩手県盛岡市のアルバイト男性は、2007年2月14日から4月3日までに、週刊少年サンデーで連載中の松江名俊作「史上最強の弟子ケンイチ」2話分、雷句誠作「金色のガッシュ!!」2話分、鈴木央作「ブリザードアクセル」2話分を配信した。男性は、「早くアップロードすることで優越感に浸りたかった」と供述している。

 東京都足立区の少年は、2007年2月15日から4月5日までに、週刊少年ジャンプで連載中の作品を配信した。作品名は明らかにかにされていない。少年は、同誌発売日(月曜日)の前週の木曜日に作品をアップロードしており、「漫画が早く手に入ることを自慢したかった」と供述している。


関連情報

URL
  京都府警
  http://www.pref.kyoto.jp/fukei/
  関連記事:本誌記事にみる「Winny」開発者逮捕へ至る経緯
  http://internet.watch.impress.co.jp/static/index/2004/05/18/winny.htm

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( 野津 誠 )
2007/05/18 16:16

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