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携帯フィルタリング、自動適用の場合は「ブラックリスト方式」が妥当

総務省の検討会が中間報告とりまとめへ

 総務省の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」が2日、第5回会合を開催した。4月末にもとりまとめる予定の中間報告に盛り込む内容がほぼまとまった。現状の携帯フィルタリングの課題や今後のあり方について検討した結果を盛り込む。

 今回の会合では、事務局から「携帯電話フィルタリングサービスの実効性ある普及を目指して」と題する「中間取りまとめ骨子(案)」が示された。

 その題名からもわかるように、中間取りまとめでは、インターネット上の違法・有害情報への対応のうち、「主に青少年を有害情報から保護する観点から、青少年が使用する携帯電話・PHSにおけるフィルタリングサービスの導入促進を図りつつ、現在のフィルタリングサービスの課題を改善し、より望ましいものとしていくための方策を提言」することを目的としている。


現状のフィルタリングは、高校生にとっては「非現実的」

「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」第5回会合
 現状の課題としては、1)画一性、2)フィルタリングの対象の広範性、3)利便性の阻害──の3点を挙げている。

 1)の画一性とは、携帯フィルタリングでは、小学生から大学生に至るまで一律のポリシーによるサービスしか提供されていないことを指したもので、「特に、高校生などにとっては非現実的な選択肢」と指摘。残された唯一の選択肢としてフィルタリングサービスを使わないユーザーが増える可能性があるとし、「携帯電話のフィルタリングサービスの画一性は、フィルタリング普及を妨げかねない大きな課題」としている。

 2)は、ホワイトリスト方式では携帯キャリアによって選ばれた限られたサイトにしかアクセスが許されないため、大多数の無害サイトが遮断されるのはもちろん、ブラックサイト方式でもブログやSNSなどのコミュニティサイト全般までフィルタリング対象に分類されている点を指している。

 3)については、携帯電話は青少年にとって、日常のインターネットへのアクセスツールとして不可欠になっている点を挙げ、学校の部活動の掲示板サイトなどの利用までを阻害させないようにすることが必要と指摘。また、ユーザーが個別ニーズに応じてカスタマイズを行なう際の利便性にも留意が必要としている。

 改善の方向性としては、「『画一性・非選択性』から『多様性・選択性』へ」と表現。ホワイトリスト方式、ブラックリスト方式のいずれにおいても、ユーザーが閲覧したいと考えるサイトへのフィルタリングを解除できるシステムの構築や、コンテンツ事業者側がフィルタリングにかけられることなくユーザーからアクセできる仕組みを構築することを挙げている。

 具体的には、青少年保護に配慮したサイトであることを公正・中立な立場から客観的に評価する第三者機関を新たに設立。基準を満たすコミュニティサイトなどを認定することで、それらはフィルタリング対象から外す仕組みだ。第三者機関については、1つの組織に限られるものではなく、「むしろ複数の第三者機関が基準を提示することにより、様々な価値観を併存させることで、利用者の選択肢を増やすことにつながることが望ましいのではないか」としている。

 フィルタリングサービスにおけるホワイトリスト方式およびブラックリスト方式という呼び方については、その性格を明らかにするため、ホワイトリスト方式を「携帯事業者提供リスト方式」、ブラックリスト方式を「特定分類アクセス制限方式」と呼ぶことも提案している。


ホワイトリスト方式は行き過ぎ、ただし小学生に推奨するのは妥当

 今後のフィルタリングサービスのあり方については、上記のような課題が改善された場合について整理した。まず、携帯キャリアが未成年者に推奨する方式については、各事業者の方針に委ねてもよいのではないかとしており、初めて携帯電話を利用する小学生に対しては、携帯事業者提供リスト方式(ホワイトリスト方式)を推奨することも妥当としている。

 一方、既存のユーザーにおいては夏以降、フィルタリングを適用しないとの親権者からの意志表示がない場合には、フィルタリングが自動的に適用されることになっている。この場合に提供されるフィルタリングサービスは、特定分類アクセス制限方式(ブラックリスト方式)が妥当ではないかとしている。

 なお、この点について今回の骨子案では、いずれの方式であっても、「青少年保護のための有害なサイトへのアクセス制限という目的を越えて、多くの有害ではないサイトのアクセスを制限するが、特に『携帯事業者提供リスト方式』は過度な制限ではないか。青少年の利用実態と離れたフィルタリングの原則化はかえって青少年のフィルタリングサービスの利用を妨げる恐れはないか」との文言も記載している。


関連情報

URL
  インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会
  http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/internet_illegal/index.html

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( 永沢 茂 )
2008/04/02 20:23

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