PDFファイルを簡単に切り貼り合成できる「PDF Split and Merge basic」
●こんなところが便利!
PDFファイルのページを、簡単に分割、回転、並べ替え、抽出、合成できる。パスワード付きのファイルも扱える。
■PDF Split and Merge basic 著作権:Andrea Vacondio氏 動作OS:筆者の環境でWindows XP/Vista/7について動作を確認 http://www.pdfsam.org/ |
●PDFファイルの再構成をしたい方に
電子書籍ブームで、これまでPDFファイル化してストックしてきた、雑誌の記事や新聞の切り抜きなどに再び注目している方もいらっしゃるのではないだろうか。そこで今回はPDFファイルの加工に便利な「PDF Split and Merge basic」をご紹介する。
「PDF Split and Merge basic」。筆者の環境ではWindows XP/Vista/7で動作を確認した。なお動作にはJava Runtime Environment (JRE)が必要 |
「PDF Split and Merge basic」は既存のPDFファイルに対して、分割やマージなどが簡単にできるツールだ。インストール時に日本語が選択でき、設定や項目名など日本語で利用できる。
起動すると、エクスプローラ風のメニューが現れ、「Plugins」フォルダと、「Setting」「About」といった項目が確認できる。加工機能はプラグインという形で分かれており、目的に応じてフォルダ内の、「Alternate Mix」「Rotate」「Visual document composer」「Visual reorder」「マージ/抽出」「分割」を選ぶ。プラグインというと脇やや役のイメージを持つかも知れないが、「PDF Split and Merge basic」においては、これらが主役だ。
「Alternate Mix」は、複数のページをもつ2つのPDFファイルを読み込ませ、互い違いに合成できるプラグインだ。たとえば奇数ページだけ、偶数ページだけでまとめられたPDFファイルを1本に合成するのに利用できる。合成時にページの順番を逆に入れ換えることも可能だ。
「Rotate」はPDFのファイルを90度、180度、270度のいずれかで回転し、任意の接頭辞を付けて指定フォルダに保存できる。
「Visual document composer」は、異なるPDFファイルを1つのファイルに合成し、任意の出力先に保存できるプラグイン。サムネイルを見ながら、ページ単位で順番の移動や回転、削除などが可能。読み込めるPDFファイルは単体でも複数ページあるものでもよく、ドラッグ&ドロップで任意のページだけを抜き出し、新たなファイルに合成するといったことが可能になる。
「Visual reorder」は、1つのPDFファイルを読みこみ、サムネイルを確認しながら、ページの順番を入れ換えたり、ページごとに削除、回転、反転ができる。機械的にスキャンして作成したPDFファイルのページの順番が間違っていた、というときに活躍するに違いない。
「マージ/抽出」は、その名の通り、PDFファイル同士を合成できる機能だ。特定のページを指定できる入力欄を備えているので、ページ番号決め打ちで抽出しつつ、新しいファイルに合成できる。
「分割」は、ページ数が2ページ以上のPDFファイルを1ページ単位に分解したり、既定ページ以降で2分割、奇数または偶数ージが先頭になるように分割、nページ単位で分割、サイズで分割、しおりで分割など、指定のオプションに従って分割し、連番付きで、任意のフォルダに保存する。保存時に好きな接頭辞を付加できる。
いずれのプラグインも、ファイルのドラッグ&ドロップが可能で、PDFのバージョンは、Acrobat 6、7、8から選べる。また、パスワード入力欄も備えているので、パスワードが必要なファイルでも扱える。並べ替えや回転など、一部機能が重複するものもあるが、主に何をやりたいかで選ぶといいだろう。
「Alternate Mix」画面 | 「Rotate」画面 |
「Visual document composer」画面 | 「Visual reorder」画面 |
「マージ/抽出」画面 | 「分割」画面 |
「Setting」画面 |
関連情報
2010/10/13 06:00
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