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“スマホ育児”で越えてはいけない一線を具体化、保護者向けセルフチェックリスト公開

 乳児・幼児期から情報機器やインターネットに接触することによる心身発達への悪影響が懸念されている状況を受け、「子どもたちのインターネット利用について考える研究会(子どもネット研)」が28日、学術研究の文献調査や先進的な教育実践例の視察など、未就学児の情報機器・インターネット利用のあり方について調査・研究した今年度の活動報告書を公開した。利用する時間帯、時間数、用途・内容、利用のさせ方、場所・場面について、悪い例・望ましい例なども示している。

 例えば、時間数については「外出中などは1回あたり15分以内にとどめる。1日あたりの利用は1時間程度を上限とし、自宅での遊び時間の半分を超えないように」、用途・内容については「動画やゲームなど、受け身で終わる利用は減らす。情報機器だけで完結しない利用方法やアプリの選択を心がける。動画やゲームを利用する際には、年齢相応の内容かどうかを保護者が確かめる」といったことを望ましいとしている。

 保護者向けのセルフチェックリストもあわせて公開した。未就学児(3~6歳)のスマートフォン利用について、「機器利用の時間や場面」「情報の内容と保護者の関わり方」「機器の与え方」「保護者自身の知識や使い方」に関する計16の項目をリスト化しており、このうち自身に当てはまるものを選択することで、現時点での各家庭における取組の適切さが簡易に自己診断できるとしている。

 項目としては、例えば「ベッドや布団に入る1時間前には利用を終わらせ、『夜ふかし』や『寝不足』にならないようにしている」「やむを得ず外出先で使わせる場合は、1回15分以下の利用にとどめ、電車や自動車などの車内では、乗り物が動いているときは避けるようにしている」「『食卓上にスマホを出さない』『人を話をしているときに使わない』など、子どものお手本になる使い方を心がけている」といったものがある。各項目についての解説シートも添付されており、懸念すべき項目についての正確な知識も習得できるようになっているという。

セルフチェックリスト
解説シート(一部)

 子どもネット研によると、未就学児のスマートフォン利用に対して何かしらの不安を感じながらも、多くの保護者がいわゆる“スマホ育児”と無縁ではいられない状況にあるという。そこで、子どもへの悪影響を抑えるためには未就学児へのスマートフォンの利用のさせ方はどこで線引きすべきなのか、スマホ育児で越えてはいけない一線をより具体化。保護者向けの判断材料・行動指針となる情報をチェックリスト形式で提供することにした。