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大賞は「Nintendo Switch」に決定! 第23回AMDアワード

AMDアワード受賞者と審査員

 一般社団法人デジタルメディア協会(Association of Media Digial:AMD)は12日、「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'17/第23回AMDアワード」の授賞式を開催した。

 AMDアワードは最近話題となったデジタルコンテンツの中から優秀作品・サービスを選定し、制作者を表彰するもの。作品の質的向上と人材育成の促進を目的として開催している。

 年間コンテンツ賞「優秀賞」の10作品がすでに発表されており、今回、その中から「大賞/総務大臣賞」および「AMD理事長賞」を選出。大賞/総務大臣賞は、新型家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」(任天堂株式会社)に決定。AMD理事長賞には映画「あゝ、荒野」(株式会社スターサンズ、株式会社テレビマンユニオン)が選出された。

 Nintendo Switchの全世界累計販売台数は1400万台。家庭用テレビゲーム機でありながら外に持ち運ぶことができ、コントローラー「Joy-Con」で手軽にマルチプレーを楽しめるのが特徴。ゲームのプレースタイルを多様化させ、世界中のゲームユーザーに新しいゲーム体験を提供した革新性が評価された。

 開発チームの一員である高橋伸也氏は、Joy-Conのソフトウェア/ハードウェア面をうまく生かすことで「世界中の人たちに喜んでもらえたのではないか」とコメント。4月に発売が予定されている、Nintendo Switchと組み合わせて遊ぶ工作キット「Nintendo Labo」など、「新しい遊びを提案し、楽しく驚いてもらえるものを提供していければ」と今後の展望を語った。

任天堂株式会社の開発チーム。それぞれの蝶ネクタイの色は「Nintendo Switch」本体カラーでもある赤・青・黒色だとアピール

 「あゝ、荒野」は、新宿・歌舞伎町を舞台に2人の若者がボクサーを目指す寺山修司氏の長編小説を映画化したもの。数々の映画賞で作品賞や主演男優賞を受賞するだけでなく、実写映画初となる劇場公開と同時の映像配信、DVD発売を試みるなど、挑戦的なコンテンツの公開手法が評価された。

 授賞式では同作品の主演を務めた菅田将暉氏が登壇。今回のコンテンツの公開手法については、最初は戸惑いつつも「地方によっては劇場で見られない人もいるため、今回の試みは新しい時代の一つのエンターテインメントの在り方ではないか」と語った。

ゲストの菅田将暉氏。「他に表彰されているコンテンツが『SNOW』などポップできらきらしたコンテンツが多い中、まさかこのハードな作品が選ばれるとは」と会場の笑いを誘った
コンテンツ制作・関連会社等
・大賞/総務大臣賞
Nintendo Switch任天堂株式会社
・AMD理事長賞
あゝ、荒野株式会社スターサンズ/株式会社テレビマンユニオン
・優秀賞
AbemaTV株式会社AbemaTV
オールタイム・ベストアルバム「Finally」安室奈美恵/Dimension Point
漢字6万文字の国際標準化独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
SNOW顔認識スタンプSNOW Japan株式会社
日清食品 カップヌードル HUNGRY DAYSシリーズ日清食品ホールディングス株式会社/株式会社電通/株式会社ギークピクチュアズ
VR ZONE SHINJUKU株式会社バンダイナムコエンターテインメント
フリー素材アイドル“Mika☆Rika”株式会社電通/株式会社スタッフ・アップ
フリマアプリ「メルカリ」株式会社メルカリ
・功労賞
「ドラゴンクエスト」シリーズ株式会社スクウェア・エニックス
・リージョナル賞
ディス(り)カバリー青森2青森県/株式会社電通東日本
・江並直美賞(新人賞)
瀬尾拡史氏
・審査員特別賞
池の水ぜんぶ抜く大作戦株式会社テレビ東京/株式会社Hu

 総務大臣の野田聖子氏は、子どものICT教育にも活用できるとされるNintendo Laboに期待を寄せる。「今後、IoTやAIの活用が日常生活で当たり前となる時代において、創意工夫を行うことで育まれる想像力や論理的思考が重要になる。総務省としても文部科学省と連携しつつ、プログラミング教育を推進してIoT・AI時代で活躍できる人材を育成していきたい」とコメントした。

総務大臣の野田聖子氏

 AMDアワード審査員長の夏野剛氏(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別招聘教授)によると、今回は、「ディス(り)カバリー青森2」や漢字6万文字の国際標準化など、日本でしかできないような“日本流”の作品が多く集まり、そのすべてが入選したという。

 Nintendo Switchについては、スマートフォン全盛時代において、新しいプラットフォームを出すこと自体、「相当なプレッシャー、自信があったのではないか」と述べる。同ゲーム機が世界中でも話題になったことで日本が勇気づけられたことを含めて「満場一致での結果になった」と振り返りつつ、「この賞が面白いものを表彰できるよう今後も期待している」と締めくくった。

AMDアワード審査員長の夏野剛氏