BookLive!、NEC製電子書籍端末を発売、8480円でUQ WiMAX搭載、通信料は不要
凸版印刷グループで電子書籍ストアサービス「BookLive!」を展開する株式会社BookLiveは7日、電子ペーパーを採用した専用電子書籍端末「BookLive!Reader Lideo(リディオ)」を12月10日に発売すると発表した。価格は8480円。UQ WiMAXの通信機能を搭載しており、ユーザーは回線契約不要で電子書籍ストアに接続してコンテンツ購入などが行える。通信料はBookLiveが負担するため、ユーザーは支払い不要。
Lideoは、BookLiveが国内市場向けに独自開発した端末で、NECが製造する。解像度600×800ピクセル/16階調グレースケールの6インチE-Ink電子ペーパーディスプレイを採用。大きさが110×165×9.4mm(幅×高さ×厚さ)、重さが約170gで、日本人の手に合う文庫本程度のサイズ・軽さを実現したとしている。BookLiveの調査によれば、6インチ電子ペーパーを搭載し、データ通信サービスに対応する電子書籍端末としては世界最小・最軽量。本体カラーは、つや消しブラック。
通信インターフェイスは、下り最大40MbpsのモバイルWiMAX(IEEE 802.16e-2005準拠)のほか、無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)も利用できる。
電子書籍の対応フォーマットは.book、XMDF、EPUBなどとなっており、PDFには対応していない。内蔵メモリは4GBで、小説を約3000冊格納可能(1冊1MB換算)。内蔵バッテリーは、1回の充電で約1カ月間利用可能だという(1日30分間読書をした場合)。
発売に先立ち、11月8日より三省堂書店の全国30店の店頭および楽天市場店で、11月19日より「BookLive!」のウェブサイトで予約受付を開始する。
BookLive!は、すでにAndroid/iOS/Windows Phone/Windows PCに対応した電子書籍ストアサービスを提供中。約10万冊を取り扱っており、購入した書籍をクラウド上の書庫「My本棚」に保管しておき、最大3台の端末で同期して利用できる機能を提供している。
このうちLideoでは、カラーの雑誌、楽譜、自主出版物などを除いた約9万5000冊が購読可能。小説だけでなく、コミックや写真集も含まれる。また、北方謙三「三国志」など、他の電子書籍ストアに先駆けて独占先行配信するタイトルも用意する。
●重視したのは「箱から出してすぐ使えること」、会員登録さえ不要に
Lideoを開発するにあたってBookLiveでは「箱から出してすぐ使えること」を何よりも重視した(開発の背景・意図については11月8日付関連記事を参照)。各端末は固有IDを持っているため、電源投入後に誕生日、性別、パスワードを設定するだけで初期設定が完了する。メールアドレスの入力や、BookLive!の会員登録手続き自体も不要だ。
さらにクレジットカード情報を入力すれば、BookLive!の電子書籍ストアで有料コンテンツを購入できるようになる。決済はほかにWebMoney、BitCash、三省堂書店での店頭決済にも対応する。
操作面でも迷うことのないよう配慮し、タッチパネルに表示されるボタンに加えて、画面下部に「本棚」「書店」「メニュー」「戻る」「文字」という5つのハードウェアボタンを設けたのも特徴。購入したライブラリの表示や電子書籍ストアへのアクセス、文字の拡大・縮小(5段階)などの操作が専用ボタンからダイレクトに行える。あわせて、紙の「ご利用ガイドブック」も同梱する。
電子書籍ストアやクラウド書庫との通信は、UQコミュニケーションズのサービスエリアであれば設定不要で接続されるため、通信回線を意識する必要がないという。ただし、WiMAX、無線LANのいずれも、Lideoの通信先はBookLive!の電子書籍サーバーに限定。PCなどとのUSB接続も行えず、BookLive!専用端末としてシンプルな構成となっている。このほか、電子書籍閲覧機能のほか、「スーパー大辞林3.0」「ウィズダム英和辞典第2版」の2つの辞書を内蔵している。
メモリは4GBの内部メモリのみで、外部メモリカードスロットは搭載していないが、クラウド書庫には容量無制限で購入したコンテンツを保管しておける。必要なコンテンツだけを端末の内部メモリに格納して持ち歩けばよい。
なお、前述のようにLideoはBookLive!の会員登録なしで利用可能だが、会員登録すればより多用なサービスを受けられるという。また、BookLive!の既存会員でれば、自身のIDをLideoに設定することで本棚が同期され、スマートフォンやタブレット、PCなどで購入済みのコンテンツを同期できる(端末台数制限にカウントされる)。
関連情報
(永沢 茂)
2012/11/7 13:09
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