マクロメディアは、12月5日から店頭での販売が予定されている「Macromedia MX 2004」シリーズの説明会を行なった。同社代表取締役の井上 基氏、CTOの田中章雄氏、米Macromedia製品担当プレジデントのNorm Meyrowitz氏らが新製品について語った。
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左から代表取締役の井上 基氏、米Macromedia製品担当プレジデントのNorm Meyrowitz氏、CTOの田中章雄氏
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パッケージのイメージ。統合製品「Macromedia Studio MX 2004」のみ黒を基調にしたデザイン
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MX 2004シリーズとは、Webサイト作成ツール「Macromedia Dreamweaver MX 2004」、Flashオーサリングツール「Macromedia Flash MX 2004」、携帯電話向けFlashの作成も可能なオーサリングツール「Macromedia Flash MX Professional 2004」、Webグラフィック作成ツール「Macromedia Fireworks MX 2004」、これら4製品がパッケージされた統合製品「Macromedia Studio MX 2004」の製品群を指す。いずれも12月5日から店頭で発売される予定で、店頭発売に先駆けて11月18日からダウンロード販売も開始する。
価格は、Dreamweaver MX 2004が48,000円、Flash MX 2004が58,000円、Flash MX Professional 2004が84,000円、Fireworks MX 2004が39,800円、Studio MX 2004が98,000円。いずれも通常のWindows版、Mac OS版を用意したほか、アップグレード版やエデュケーション版などを用意。エデュケーション版では、Flash MX Professonalの機能を一部搭載した開発者向け「Macromedia Studio MX 2004 with Flash Professional」(35,000円)も提供する。なお、Macromedia Studio MX 2004へのアップグレードについては、利用している製品によって価格が異なるため注意が必要だ。
● CSSに対応したDreamweaver、ドコモ505i用Flashも作成できるFlash MX Pro
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Dreamweaver MX 2004のサンプル画像
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Dreamweaver MX 2004では新たに、CSS(Cascading Style Sheet)に対応。サイト全体にワンクリックでスタイルシートを適用できるほか、任意の部分だけに適用することも可能だ。また、通常の方法で文字修飾した場合もスタイルシートとして保存できる。また、Microsoft WordやExcelと連携し、作成した表をテーブルとしてそのままインポートすることも可能になった。このほか、secure FTP、ASP.NET、PHPなどをサポートした。
CTOの田中氏は、「CSSを搭載することによってWebサイトを柔軟に作成することができる。マクロメディアでは9つのスタイルシートで、数万ものWebを作成している」という。
従来製品の後継となるFlash MX 2004では、これまでのコンテンツ作成作業を簡略化したインターフェイス「タイムラインエフェクト」を採用。「オブジェクトを選ぶ」「タイムラインエフェクトを指定」「エフェクトのプロパティを設定」の手順で簡単なアニメーションを作成できる。ActionScript 2.0に対応したほか、CSSのサポートによりFlashとHTMLのハイブリッドサイトの構築が可能になった。
新製品となるFlash MX Professional 2004は、アプリケーション開発者などをターゲットにしたFlashオーサリングツール。NTTドコモの携帯電話505iシリーズに搭載されている「Flash Lite」をサポートした。開発ソフトVisual Basicで使われているようなフォームベースのユーザーインターフェイスを採用している。これは、「コーディングなどに慣れているプログラマーやエンジニアは、グラフィカルなインターフェイスよりもフォームベースの方が開発しやすい」(田中氏)からだ。また、SOAPやXMLなどをサポートするほか、QuickTimeなどで作成したビデオコンテンツを取り込み、Flashビデオとして書き出せるようになった。
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Flash MX 2004
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こちらは、Flash MX Professional 2004。フォームベースのユーザーインターフェイスを採用
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このほか、Fireworks MX 2004では、共有ファイルの上書きを防止する「チェックイン/チェックアウト」機能を搭載するなど複数人のチームで開発する機能を強化。また、ビットマップ画像とベクター画像を取り扱う描画ツールも実装した。ユーザーの要望に応えて、「描画機能に破線の追加や、ぼかし機能の強化なども実施」(田中氏)している。
● マクロメディアがRIAでネットを使いやすくする
説明会では井上氏が現状のインターネット利用状況を語った。「インターネットは普及している。しかし、利用しやすいものだろうか。インターネットはインフラと同じで、誰にでも簡単に、素早く利用できるものでなくてはならない」とし、高齢者や障害者はもちろん、一般ユーザーや企業にとっても、さらに利用しやすいものであるべきだという見解を示した。
マクロメディアの“マニュフェスト”として「インターネットを使いやすくすること」を挙げ、そのためにPCソフト同等のユーザーインターフェイスなどを利用できるリッチインターネットアプリケーション(以下、RIA)を開発する必要があるという。PCで利用するコンテンツだけでなく、携帯電話などの組み込み機器向けRIAを開発できるMX 2004シリーズを活用すれば、「デザイナーやプログラマーだけでなく、ユーザーにとっても利便性が高まるはずだ」と述べた。
続いて、Norm Meyrowitz氏が登場。Webの発展をコーヒーの発展になぞらえるプレゼンテーションを行なった。コーヒーの流通形態は、まず生豆、次にローストした豆が販売され、続いて飲料としてのコーヒーが販売されるようになった。Meyrowitz氏によると、「現代になり、コーヒーを飲む行為を楽しい体験にしようと、店舗を飾り、商品を豊富に備えたスターバックスが現れたのだ」という。
一方のWebでは、当初プレーンなHTMLから始まり、続いてPerlなどのスクリプトなどを実装。「動きの遅いWebアプリケーションで、やりたいことを何とか最低限のレベルで実現している段階。まだ、コーヒー飲料を売っているだけの段階だ」と分析し、スターバックスのような“体験”はMX 2004シリーズで実現できるようになると語った。
関連情報
■URL
ニュースリリース(Dreamweaver MX 2004)
http://www.macromedia.com/jp/macromedia/proom/pr/2003/dreamweaver_mx_2004.html
ニュースリリース(Flash MX 2004)
http://www.macromedia.com/jp/macromedia/proom/pr/2003/flash_mx_2004.html
ニュースリリース(Flash MX Professional 2004)
http://www.macromedia.com/jp/macromedia/proom/pr/2003/flash_pro_mx_2004.html
ニュースリリース(Fireworks MX 2004)
http://www.macromedia.com/jp/macromedia/proom/pr/2003/fireworks_mx_2004.html
ニュースリリース(Studio MX 2004)
http://www.macromedia.com/jp/macromedia/proom/pr/2003/studio_mx_2004.html
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( 鷹木 創 )
2003/10/30 20:10
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