中国キングソフト(金山軟件)のウイルス対策ソフトが日本でも提供される。日本法人のキングソフトは14日、「キングソフトインターネットセキュリティ2006」のダウンロード提供を開始した。100万本までは1年間無償で利用可能で、継続利用する場合は年間980円。100万本以降は、無償利用期間が6カ月に短縮される。980円という年間利用料は、業界最安値だとしている。
同社サイトや「窓の杜」「Vector」などからダウンロードできる。Windows XP/2000/Me/98SEに対応。他社ウイルス対策ソフト、スパイウェア対策ソフト、ファイアウォールソフトとの併用はできない。なお、インストール時に個人情報を入力する必要はない。
● ウイルス対策、ファイアウォール、スパイウェア対策を提供
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セキュリティ対策ソフトを5年間利用した場合のコスト比較
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“軽さ”が特徴で、PCにかかる負担が少ない
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キングソフトインターネットセキュリティ2006は、ウイルス対策、ファイアウォール、スパイウェア対策機能などを備える総合セキュリティ対策ソフト。中国キングソフトの「金山毒覇」を日本語化したもので、「中国ですでに製品化しているため、開発コストを抑えて低価格で提供できる」としている。中国ではダウンロード数が1,000万件に達しており、全てインストールしても約15MBという“軽さ”が特徴という。
ウイルス対策機能では、1日約3回アップデートファイルを配信。緊急時には臨時配信も行なう。Web閲覧時には、ブラウザがWebページを表示する前にページをチェックし、悪意のあるプログラムやウイルスを検出する。
ファイアウォール機能としては、外部との通信を制御することで、不正侵入や個人情報の漏洩を防ぐ。起動中のアプリケーションに対して、個別にネットワークへの接続の許可あるいは拒絶するように設定できる。
また、スパイウェア対策機能では、8万種以上のスパイウェアプログラムを検出。PC起動時に自動起動するスパイウェアを防ぐ機能も備える。上級者向け機能としては、スパイウェアやウイルスによって修正されてしまったシステムやレジストリの修復をサポートする。
カスターマーサポートについては、無償利用期間中でもメールで対応する。キングソフトによれば、「中国で5年間製品を提供してきたので、頻繁に寄せられる質問は把握している。これらの質問と回答を随時サイトに公開していく。電話サポートも視野に入っている」(広沢一郎代表取締役社長)という。
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ウイルス対策機能
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スパイウェア対策機能
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ファイアウォール機能
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中国では1,000万人以上が利用しているという
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● セキュリティ対策費用を負担に感じるユーザーが対象
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日本のセキュリティ対策ソフト市場は、大手数社による寡占状態
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広沢社長によれば、同製品のターゲットは「セキュリティ対策の必要は感じつつも、それにかかる費用を高額と感じる人。または、何の対策も行なっていない人」。さらに、「日本のセキュリティ対策ソフトの市場は大手数社による寡占状態。中国での実績があっても新規参入は難しいとの認識から、無償配布という手法を採用した」という。続けて、中国キングソフトの雷軍CEOは、「日本は最も知的財産権を保護する環境が整った国の1つであり、世界で最大級のマーケットの1つ」と、日本市場に参入した理由を述べた。
1988年に設立された中国キングソフトは、1998年にはLenovoグループの資本参加を受け急速に成長。現在Lenovoグループは、中国キングソフト株式の約3割を所有する筆頭株主となっている。2004年には個人ユーザーだけでなく政府・企業ユーザー合わせて5,000万台のPCで中国キングソフト製品が利用されているという。
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キングソフトの広沢一郎代表取締役社長
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中国キングソフトの雷軍CEO
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.kingsoft.jp/release/05_0914.htm
製品概要
http://www.kingsoft.jp/products.htm
ダウンロードページ
http://download.kingsoft.jp/is/?partner=kingsoft_000&header=1
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・ 中国の有名ウイルス対策ソフト「金山毒覇」が日本上陸(2005/08/10)
( 増田 覚 )
2005/09/14 20:14
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