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公取委、Bフレッツ「ニューファミリータイプ」に違反宣言審決

NTT東日本は提訴の構え

 公正取引委員会は29日、NTT東日本が提供していたFTTHサービス「Bフレッツ・ニューファミリータイプ」についての独占禁止法に基づく審判について、違反宣言審決を下した。審決に伴う公取委による措置は命じないとしているものの、NTT東日本は審決取消訴訟を提起する予定だ。

 今回の審判は、公取委が2003年12月にNTT東日本に出した排除勧告を受け入れなかったことから行なわれていたもの。公取委は、NTT東日本が2002年6月1日以降ニューファミリータイプについて、光ファイバ1芯を最大32分岐することを前提に設定されたものであるながら、実際には分岐せず芯線直結方式と同様に提供。ニューファミリータイプの月額料金をサービス開始当初の5,800円から2005年4月1日以降は月額4,500円に値下げした事が、当時の他事業者へ光ファイバ1芯を提供する際の接続料金5,074円を下回るものであったとし、FTTHサービスの私的独占にあたると主張していた。

 一方NTT東日本では、ニューファミリータイプの投入は、ブロードバンド市場における新たな需要を創出し、より自由かつ健全な競争の可能性を高めた競争促進的なものだったと主張。NTT東日本のニューファミリータイプ提供が他事業者の事業活動を排除する行為となるか、戸建て住宅向けFTTHサービス市場に一定の取引分野が成立するか、ニューファミリータイプ提供が競争の実質的制限をもたらすものであったか、などといった事項を争点として審判が行なわれてきた。

 これら審判を受けて公取委は3月29日、NTT東日本の行為について独占禁止法第2条第5後に規定する「私的独占」に該当するとして、同法第3条の規定に違反すると違反宣言審決を下した。なお、NTT東日本に対する措置としては、2004年4月以降ニューファミリータイプの芯線直結方式での提供を行なっていないため、排除措置を命じるべき違法行為の残存効果が存在せず、防止する措置をとる必要がないと説明。また、独占禁止法第54条第2項で規定する「特に必要があると認めるとき」に該当する事情がないことから、格別の措置は命じないとしている。

 今回の審決を受けて、NTT東日本は「当社の行為が私的独占に当たるとは考えておらず、本審決における判断には納得できない」とコメント。東京高等裁判所へ審決取消訴訟を提起する予定であることを明らかにしている。


関連情報

URL
  公正取引委員会のニュースリリース(PDF)
  http://www.jftc.go.jp/pressrelease/07.march/07032904.pdf
  NTT東日本のニュースリリース
  http://www.ntt-east.co.jp/important/information/070329/index.html

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( 大久保有規彦 )
2007/03/29 18:55

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