米Googleは、インターネット広告大手の米DoubleClickを31億ドルで買収することで最終合意に達したと発表した。これは13日、米国株式市場が終了するのを待って発表された。
DoubleClickは、サンフランシスコの非公開投資ファンドHellman & Friedmanが2005年に買収していた。Googleは同社や、残る株式を持つJMI Equity、DoubleClickの経営陣から合計31億ドルの現金でDoubleClickを買収することになる。記録されている中で、今回の買収はGoogle創業以来最大の買収となる。
この買収により、Googleは同社が強みを持つテキスト広告に加えて、DoubleClickが強みを持つバナー広告などのディスプレイ広告にも強みを発揮できるようになる。その結果、広告主にとってはさまざまな種類の広告を1カ所で管理し、高品質の広告キャンペーンを行なえるようになる。Googleが提供する広告キャンペーンの計測ツールや技術を、DoubleClickのバナー広告などに対しても使用でき、より最適な広告キャンペーンを行えるようになることが期待されている。広告を掲載するページやパブリシャーにとっても、売上を上げる新たな広告主を招くことができるようになる
Googleによる買収が発表されるまでは、米MicrosoftもDoubleClick買収に強い関心を持っていると報じられていた。記者会見でこの点について質問されたGoogleの幹部はコメントを避けた。また、MicrosoftがDoubleClickを握ることを恐れたGoogleによる防衛的買収であるとの見方を避けるかのように、この買収は長い間かけて吟味されてきたことを盛んに強調した。特に、この時期に買収を行なう必要がある理由を説明。これまでテキスト広告に力を注いできたGoogleが自らの戦略を見直す機会を持ったところ、ディスプレイ広告に注力する必要があることを再認識したとしている。これまでもGoogle AdSenseのイメージ広告などを行なっており、ディスプレイ広告を無視していたわけではないことも指摘した。
DoubleClickほどの大きな会社をGoogleが買収することは初めてで、マネージメントに不安を抱く見方もある。しかしGoogleは、DoubleClickが本社を構えるニューヨークオフィスがGoogleのニューヨーク支社と同じビルにあることを指摘。昔からよく知っている間柄であるため、企業文化的な問題も問題はないとしてそのような不安を意に介していないという。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.google.com/intl/en/press/pressrel/doubleclick.html
DoubleClick(英文)
http://www.doubleclick.com/us/
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/04/16 12:19
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