米Googleと米ラジオ最大手のClear Channel Radioは16日、Clear Channel傘下のラジオ局で放送するラジオ広告の一部をGoogleが販売する内容の複数年契約を締結したと発表した。
契約金額などの詳細な条件は明らかになっていないが、この契約によりGoogleは、Clear Channel傘下の675以上のAM/FM局で、すべての広告のうち一定の割合で30秒ラジオ広告を販売できるようになる。Googleでラジオ広告を担当しているAudio AdsチームのAndrew Chang氏によると、この契約によってGoogle AdWords広告主のリーチが格段に広がることになる。統計によれば、Googleは米国上位25のラジオ市場のうち24市場で、それぞれトップ10を占めるラジオ局に広告を出すことができる。これは米国内12歳以上人口の99%にリーチできる計算になる。
Clear Channelにとって、この契約はラジオ広告で差別化を図るための大きな戦略の1つだ。同社はこれまでにラジオ広告の放送時間、スポット広告の種類、クリエイティブ部門の強化、ラジオ以外の広告やインターネット広告とのパッケージなど、種々のラジオ広告の選択オプションを広告主に対して提示してきた。今回Googleと契約を締結することにより、これまでラジオ広告を利用してこなかった新規顧客を、Clear Channelに取り込むことになる。
逆にGoogleにとっては、今までインターネット広告を主に利用してきた広告主に対し、新たな選択肢を提示できることになる。そしてインターネットでは考えられないほど大きなリーチを得て、さまざまな地域、視聴者に対して広告を提供できることになる。
特に、Googleの売上の99%は広告収入であり、かつその広告収入のほとんどがインターネット広告から来ていることから、Googleは雑誌広告、新聞広告、ラジオ広告などの分野に進出しつつある。
なお、今回の契約には多数のラジオ局が関係しており、それぞれのラジオ局との技術的な統合作業が伴うため、すべてのラジオ局にGoogle Audio Adsから広告を出せるようになるには、しばらく時間がかかる見込みだ。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.google.com/intl/en/press/pressrel/clear_channel_radio.html
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2007/04/17 12:03
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