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「ニコニコ動画(SP1)」公開、専用の動画生成ツールも配布


ニコニコ動画(SP1)トップページ

ニワンゴの西村博之取締役
 ニワンゴは5日、動画上にコメントできるサービス「ニコニコ動画」の最新版となる「ニコニコ動画(SP1)」を公開した。再生画面をブログに貼り付けられる「外部プレーヤー」機能や、「ニコ割」を利用したゲームなどを追加したほか、ニコニコ動画専用の動画生成ツールも提供開始した。

 同日行なわれた発表会には、応募総数1,693人から抽選によって選ばれたニコニコ動画の有料会員「プレミアムユーザー」200人も参加した。また、会場の模様はライブ配信「ニコニコ生放送」で中継された。ニワンゴの西村博之取締役が、ニコニコ動画(SP1)の新機能説明を行なった。

 西村氏は、SP1のキャッチフレーズは「“あさって”への進化」と話す。「他の動画サービスは、高画質化や広告の挿入、ハリウッドのコンテンツを持ってきたりしているが、ニコニコ動画は“動画ビジネスの明後日”に向かう」とコメント。競合他社とは別の路線で進化していく考えを示した。

 SP1では、「初心者用ページ」を設けた。「ニコニコ動画のユーザーは利用時間が長く、慣れた人しか楽しめないサービスだと思われがち。新しい人が入り辛い雰囲気がある」と説明。初心者用ページは、ユーザー登録後、ログインした時に表示されるもので、チュートリアル動画を用意している。また、マイページには自己紹介欄を設けた。

 「ニコニコ外部プレーヤー」を通じて、非会員でもブログ上でニコニコ動画が見られるようになった。コメントはニコニコ動画で行なう。対応サービスは、「livedoor Brog」「So-net SNS」「はてなダイアリー」「trunc」。従来、ニコニコ動画をブログに貼り付けると静止画が表示され、再生するにはニコニコ動画へログインする必要があった。

 動画視聴中の全ユーザーに対し、リアルタイムに情報を表示できる「ニコ割」を利用した「ニコ割ゲーム」も開始する。現在は、時報やCMを流しているが、ニコ割ゲームでは、動画視聴部分にミニゲームが現われる。プレイ終了後、ゲーム結果が送信され、ユーザーランキングも表示する。「さらに時報が“うざく”なります」(西村氏)。

 このほか、トップページのレイアウトおよびメニュー変更を行なった。また、動画はH.264に対応。配信ビットレートを600kbpsから800kbpsに上げ、有料会員の動画アップロード容量が8GBに拡張された。


ニコニコ動画が目指す道 初心者用ページ ニコ割ゲーム

夏には次期バージョンが登場

 ニコニコ動画に特化した動画生成ツール「ニコニコムービーメーカー」の配布も開始した。利用は無料。Windows Vista/XPに対応する。共同開発した株式会社インターネットのサイトからダウンロードできる。

 ニコニコムービーメーカーでは、静止画やテキスト、音声を組み合わせて動画を作成できる。取り込めるファイル形式は静止画がBMP/JPEG、音声がWAVE/MP3/AAC/WMA。マルチトラックによる編集ができ、SWF形式に変換して「SMILE VIDEO」にアップロードすることも可能だ。

 プロジェクト内のデータをまとめて独自の形式(.nmm)で保存すれば、作成中の動画をそのまま他のユーザーに受け渡すこともできる。これにより、1つの作品を分業で仕上げていくことが可能。このほか、ツールから動画作成に使用する効果音やミュージックエフェクトなどの素材をダウンロード(有料)できる。

 3月13日からは、動画上にさまざまな機能を付加できる「ニコスクリプト」が強化される。動画内にボタンを設置できる「@ボタン」、動画内にコメントの流れない領域を設定できる「@コメントマスク」、投票結果をユーザー単位で得点化できる「@スコア」を追加。また、別の動画に切り替えられる「@ジャンプ」を高機能化。ジャンプ後の動作を設定したり、同一動画の指定時間にジャンプ可能となる。「ニコスクリプトのような進化は他社の動画サービスにはない」(西村氏)。

 4月からは3DCGキャラクターが合成音声で話す動画「ニコニコニュース」をユーザーが作成できる「ニコニコニュースメーカー」を開始する。ニュース原稿などをテキスト入力し、キャラクターや背景を設定することで、動画を生成できる。さらに、ニコニコ動画の情報をまとめたサイト「ニコニコ大百科(β)」も開設。専門用語や人気動画の歴史などをユーザーが投稿・編集できる。「動画以外のニコニコ関連サイトとしては、過去あったブックマークに次ぐもの」(西村氏)。

 「国際ニコニコ映画祭」や「ニコニコ生放送」の今後についても説明した。映画祭では、3月以降の募集期間を1カ月延長するほか、ニコ割で落選動画を配信したり、制作テーマを設定する。生放送では、現状1,000人規模で実施しているが、参加人数を順次拡大する。映画祭や生放送は、運営者側とユーザーとの距離を縮めることも目的の1つという。「生放送については、年内に1万人規模のネット最大のイベントスペースにしたい」(西村氏)。

 最後に、ニコニコ動画の次期バージョンが「ニコニコ動画(夏)」であることも明らかにした。加えて、7月4日に2,000人規模のリアルイベント「ニコニコ大会議2008@JCBホール」を開催する。「開発者の多忙さによっては、『ニコニコ動画(秋)』になる可能性もあるので、その点はご了承いただきたい」(西村氏)。


ニコニコムービーメーカー ニコスクリプトのボタン機能 ボタンを流すことも可能

ニコスクリプトのコメントマスク機能 ニコニコニュースメーカー ニコニコニュース作成画面

ニコニコ大百科(β) ニコニコ生放送の画面 吉本興業の芸人による前説も

関連情報

URL
  ニコニコ動画(SP1)
  http://www.nicovideo.jp/
  ニュースリリース(PDF)
  http://info.niwango.jp/pdf/press/2008/20080305.pdf

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( 野津 誠 )
2008/03/05 20:56

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