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アドビ、Flashビデオに対応した「Adobe Acrobat 9」ファミリー


Adobe Acrobat 9ファミリー
 アドビシステムズは3日、PDF作成・閲覧ソフト「Adobe Acrobat 9」ファミリーの日本語版を発表した。「Adobe Acrobat 9 Pro Extended」「Adobe Acrobat 9 Pro」「Adobe Acrobat 9 Standard」「Adobe Reader 9」を用意し、店頭発売は7月上旬を予定する。

 通常価格は、Pro Extendedが89,565円、Proが57,540円、Standardが36,540円。Reader 9は無償ダウンロードできる。対応OSは、Pro Extended、Pro、StandardがWindows Vista/XPおよびWindows Server 2003で、ProのみMac版(Mac OS X 10.4.11以上)も用意する。Reader 9はWindows版(Windows 2000以降)とMac版(Mac OS X 10.4.11以上)に対応する。

 Acrobat 9では、画像や動画、Microsoft Officeで作成したドキュメントなどを1つのPDFファイル内にまとめられるPDFポートフォリオ機能や、Flashビデオのネイティブサポートを追加した。また、PDFフォーム機能やコラボレーション機能も強化。パフォーマンスも向上したという。なお、従来の「Adobe Acrobat 3D」はPro Extendedに名称変更した。


PDFにFlashビデオの埋め込みが可能

 PDFポートフォリオは、従来のファイル結合機能を強化したものだ。さまざまな形式の複数のファイルを1つのPDFファイルとしてまとれられる。ドキュメントをPDFに変換するのではなく、元の形式を保持したままPDFでパッケージするイメージだ。PDFポートフォリオはReader 9で閲覧できるほか、Word、Excel、PowerPointのファイルはOfficeソフトで開いて編集できる。

 なお、OfficeドキュメントをReader 9でプレビューする際は、あらかじめPCにOfficeがインストールされている必要がある。

 Pro Extendedには、Flashビデオの編集・変換機能を追加した。各種ビデオフォーマットをFlash形式に変換し、PDFファイルに埋め込むことが可能。埋め込む際は、ポスター画像(サムネイル)の設定や再生画面に表示するコントロールバーなどのスキン選択ができる。動画の必要な部分だけを切り取って埋め込むことも可能。さらに、作成したPDFには、動画の任意の位置に注釈(コメント)を付け加えられる。

 動画挿入機能をOfficeソフトに追加して利用することもでき、例えば、PowerPointのファイルにFlashビデオを埋め込んで、PDF化するといった使い方も可能だ。


PDFポートフォリオの表紙画面 PDFポートフォリオの中身 PDFポートフォリオ作成画面

カバーシート作成画面 ビデオの挿入画面 PowerPoint上でのビデオ挿入

Acrobat専用のホスティングサービスも提供

 また、PDFドキュメントの画面共有とチャット機能を提供する「ライブコラボレーション」を追加した。無償のパブリックべータ版として提供される予定のAcrobat専用ホスティングサービス「Acrobat.com」を利用する。ライブコラボレーションでは、Acrobat.comに保存したPDFを最大3人のユーザーでリアルライムに共有可能。これにより、同じ画面を見ながら、やりとりすることができる。

 このほか、PDFで簡単なインタラクティブコンテンツを実現できるツール「Adobe Presenter」も同梱する。問題と選択肢を設定してクイズ形式のPDFドキュメントを作成できる。音声や動画を挿入することも可能だ。


Acrobat.com ライブコラボレーションの画面

PDF上で簡単なクイズを作成 PDFフォームの編集画面

見た目は今までのPDFらしくない

 アドビシステムズのマーケティング本部でAcrobatを担当する小圷義之氏は、「ニーズに応じた新機能を追加していくことで、アドビのAcrobatおよびPDF関連ビジネスは順調に伸びている」と説明する。

 「最近では、業務の過程でPDFを利用する事例が増えた。承認を回したり、PDFによるデータ収集に関心が高い」という。また、ユーザーが抱える業務課題として、「情報のわかりやすさ」「ドキュメントの共有・閲覧性」「チームでの共同作業」を挙げ、これらを解決する製品としてAcrobat 9ファミリーをリリースするとした。

 PDF上で動画再生も可能になり、PDFドキュメントに“動き”が加わった。「人によってはPDFらしくないイメージを持たれるようだ」と小圷氏は話す。「PDFの最終的な目的は情報の伝達であり、それを効果的に行なうにはどうすれば良いのかを考えたときに、今回、特にマルチメディア系フォーマットの扱いは考慮したポイント」だという。「Web上の情報がリッチになっていく流れをPDFでも提供したい」とした。


Acrobatの変遷 Adobe Acrobat 9ファミリーの機能比較

関連情報

URL
  アドビシステムズ
  http://www.adobe.com/jp/

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( 野津 誠 )
2008/06/03 11:13

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