2008年に行われた米国大統領選挙では、選挙権を持つ年齢層の半数以上が政治に関する目的でインターネットを利用したという意味で、初の本格的なインターネット選挙だったことがわかった。非営利調査団体の米Pew Research Center Internet & American Life Projectが15日に調査結果を発表した。
それによると、成人の55%、インターネット利用者の74%が、この選挙期間中にインターネットで選挙の情報を得たり、選挙運動に関わったりしたという。2000年の大統領選挙と比べると、情報源としてインターネットを利用する割合は11%から26%へと2倍以上に増えた。
選挙関連の動画を視聴していたのは、インターネット利用者の45%。特に18歳から29歳の若年齢層では、半数近くが政治的動画を視聴していた。
また、インターネット利用者の33%は、政治的な文章やマルチメディアコンテンツをメールで転送するなどの共有活動を行っていた。
さらに52%は、SNSのプロフィールを政治的用途に利用したほか、18%はブログや掲示板、SNSなどに選挙に関連した独自のコンテンツを投稿していたという。
政治的視点から見ると、バラク・オバマ候補の支持者の方が、ジョン・マケイン候補の支持者よりも、インターネットにおける政治的議論に多く参加する傾向が強く見られた。
例えば、掲示板に自分の政治的コンテンツを投稿した人の割合は、オバマ候補支持者では26%だったのに対し、マケイン候補支持者は15%にとどまった。それ以外でも、選挙に関する最新情報を自動的に受信した人はオバマ候補支持者が18%に対して、マケイン候補支持者は9%、オンラインでの政治献金に関してもオバマ候補支持者の15%に対して、マケイン候補支持者は6%だった。選挙運動に関連したニュースアラートの受信や、選挙に関連したボランティア活動に関する情報なども、オバマ候補支持者の方が受信する割合が高かった。
Pew Internet & American Life ProjectのリサーチスペシャリストであるAaron Smith氏は「2008年選挙では、インターネットが政治に果たす役割の増加が見られ、ユニークなインターネット政治活動家のグループが発生するのを目撃することとなった」コメントしている。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.pewinternet.org/Press-Releases/2009/The-Internets-Role-in-Campaign-2008.aspx
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2009/04/17 14:03
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