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【使いこなし編】第253回

アイ・オーのNAS「LAN DISK」のバックアップからファイルを復元する

 アイ・オー・データ機器のNAS「LAN DISK」シリーズの「HDL1-LA02」を、第237回から活用している。家庭向けモデルの中でも最も廉価で、気軽にスマートフォンのバックアップ用として、2TBの容量を活用できる。

設定したアイ・オー・データ機器のNAS「HDL1-LA02」のバックアップから復元してみよう

 前回までで、「HDL1-LA02」のデータを外付けHDDにバックアップした。バックアップは設定した間隔で定期的に自動で実行されるようになっている。今回は、このバックアップから、特定の時点のファイルを復元する作業を行ってみよう。

HDL1-LA02の共有機能を通して外付けHDDにアクセスする

 バックアップしたファイルは、どのタイミングでもPCから見ることができる。バックアップに使う外付けHDDは「EXT4」というLinuxで使われているフォーマットになっているので、Windows PCやMacから直接中を見るには、EXT4形式のドライブにアクセスできるツールの導入が必要となる。

 しかし、今回は、直接中を見る方法は取らない。前回にセキュリティ向上のためオフにした共有機能を一時的にオンに戻すことで、HDL1-LA02に接続した状態で確認することができるので、これを試してみることにする。

前回オフにした外付けHDDの共有をオンにするので、詳細は前回も参照してほしい。[共有フォルダー]ー[一覧]にて、[USB1]の[変更]をクリックする
[Microsoftネットワーク共有]にチェックを入れ、禁止ユーザーの該当ユーザーを[読み取りユーザー]に[選択]をクリックして入れる。最後に[変更]をクリックして適用する

 これで、共有がオンになったので、第247回第248回を参考にして、PCからアクセスしてみてほしい。バックアップ日時でフォルダー分けされているのが確認できるはずだ。

 差分バックアップのタイミングのフォルダーでも、これまで変更のないものは全てのファイルを確認できる。必要なファイルをPCにコピーすれば、使うことができる。確認もしくは、必要なファイルを取り出した後には、[Microsoftネットワーク共有]のチェックをはずし、共有をふたたびオフに戻しておくようにする。

ここではmacOSを使っているが、Windowsでも同様。アクセス時には「usb1」をマウントする
このようにバックアップ日時のフォルダーで分類されている
必要なファイルを探して、別のストレージにコピーすれば利用できる

NAS全体の復元は設定画面から操作する

 NAS全体をバックアップした時点の状態に戻したいケースには、設定画面から復元をすることで書き戻すことができる。

設定画面から[バックアップ]ー[バックアップ]の画面を表示させ、[復元]をクリックする
[復元する履歴]で、書き戻ししたいバックアップ履歴のタイミングを選択する
完了後[情報・ログ表示]ー[システムログ]で確認すると、復元されているのが確認できる

 もしも、NASが故障して起動できなくなった場合には、同じLAN DISKシリーズを新たに買ってきて、新規セットアップし、バックアップに使っていた外付けHDDを接続する。外付けHDDは初期状態で共有された状態になっているので、これまでの実践で紹介した共有フォルダーの操作と同様に、PCから「admin」ユーザーで「usb1」にアクセスして、必要なファイルをNAS本体のストレージへ、LAN経由でコピーすれば元に戻すことができる。

 ユーザーごとの共有フォルダー設定は、再度設定し直して使うようにする。EXT4フォーマットは、多くのNASのシステムで読み込み可能なので、他社製のNASに移行することも問題ないはずだ。

 今回で、「HDL1-LA02」での実践をいったん完了としておこう。安価ながら、利用方法を限定すれば自宅外からのアクセスも可能で、使い勝手もいいNASだ。スマートフォンの容量不足解消や自宅でのPC作業などに、うまく使いこなしてもらいたい。

今回の教訓(ポイント)

LAN DISKのバックアップは、ファイル単位で読み出せる
EXT4フォーマットなので共有して読み出すと簡単

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。