「仕事のIT」聞いてみました
「企業のNotes離れ」はまだまだ進行中、「移行サポート」は何をしてくれるのか?
2018年5月30日 06:20
本連載では、仕事で知っておくとちょっと便利なお役立ちサービス・製品を、担当者に直接聞いてご紹介します。バックナンバーはこちら。
株式会社テンダでは企業向けのシステム開発を行っているが、その象徴といえるのがIBM Notesからの移行をサポートするビジネスだ。長い歴史を持つNotesを現在でも使い続けている企業の移行を支援するためには技術力、企業システムに関する知見、移行に関わるノウハウなどが必要となる。テンダではどのような姿勢でNotesからの移行支援ビジネスを行っているのか。
「企業のNotes離れ」が加速!?
2018年に入り、Notesから移行を検討する企業が増えていることには理由があるのだという。テンダでNotes移行ビジネスを担当するビジネスプロダクト事業部プロダクト営業課の岸秀憲課長は、「現在のNotes最新バージョンは9ですが、その前のバージョン8.5のサポートが終了するのが2018年9月です。その前に移行を考えるお客様が増えています」とその理由を説明する。
現在、IBMが提供しているNotesだが、もともとは1995年にIBMに買収されたソフトウェア企業のロータスが開発・販売したもの。グループウェアとカテゴライズされることもあるが、情報を共有していくツールとして時代を切り拓いたソフトウェアだ。歴史を作った製品だけに日本でも多くの企業がNotesを導入した。特に自社の用途に合わせてカスタマイズを行った企業も多く、それを使い続けるために1990年代から現在までNotesを利用している企業も存在している。
しかし、情報システムの新しい潮流が起こる度に、Notesを利用している企業に対しては移行の誘いがいろいろと行われてきた。簡単に移行を行うツールを提供する企業も登場し、容易に移行を行える環境作りが進められてきた。
実はテンダがNotes移行をビジネスとしているのも、2008年に買収したユニファイジャパン株式会社が移行ツールを販売していたことに起因する。
「しかし、移行ツールで簡単に移行できるような企業はほとんど移行してしまいました。現在でもNotesを使い続けているのは、自社用に作り込みを行って簡単に移行できない、Notesを使って蓄積した既存資産がたくさんあって移行できないなど、移行できない事情がある企業です。それも超大企業が多いですね。」(岸氏)
移行先の筆頭候補は「Office 365」、MicrosoftのAI技術を使って新たな付加価値も
現在までNotesを使い続けてきた超大企業の移行を支援するためには、移行がメリットとなることを企業側が実感できるような提案を行うことが必要になる。
「当社では単純なNotes移行にとどまらない提案を行っています。Notesの移行先として検討の俎上に上ることが多いのは、現在ではOffice 365です。Notesのことをよく知っていて、なおかつOffice 365についてもよく知っているシステム会社は、実はそう多くありません。2010年からこのビジネスを行っている中で蓄積されたノウハウ、知見があることで、超大企業のお客様からも当社が支持を受けているのです。」(岸氏)
Notesからの移行を行う企業に対しては、まずどんな資産があるのか棚卸しを行う。社内にどんな資産があるのか、きちんと把握していない企業も多いため、棚卸しによって社内にある資産をあらためて把握する。それを把握した上でOffice 365に移行することになるのだが、テンダでは「移行後の利活用も含めた支援を行う技術サービスができることが強み」だという。
Office 365だけでは不十分で、別途アプリが必要になる場合には、Microsoft基盤である.NETエンジニアも多いので、独自のアプリ開発を請け負うことも可能だ。.NET技術はAzureとの親和性が高いため、Office 365と連携するアプリ開発を行うのに適している。
また、Office 365以外のMicrosoftアプリケーションの利用など、利用する企業のニーズや実態に合わせたさまざまな提案を行うことが可能だ。MicrosoftのAI技術を使った新たな付加価値を生む提案を行っていくことも可能。将来を見据えた新技術を使った新しい世界を作り出すことができる。
移行後のマニュアルや社内研修教材の作成まで、テンダのプロダクトでサポート
さらに導入が決定した新システムを社内に定着させるために、マニュアル作成ソフト「Dojo」を使って利用マニュアルやeラーニングによる社内研修といったところまでサポートすることができることがテンダの強みとなっている。
「使い慣れたNotesからの移行となると、社内にどう定着させることができるのかも、新システムへの導入を進める際の重要なポイントとなります。当社には操作マニュアルを作るDojoがあり、さらに作ったマニュアル、eラーニングコンテンツを社内のSharePointサーバーにアップロードして使い方を習熟してもらうといった提案ができます。他社にはない移行をトータルに支える提案ができることがテンダならではの強みだと考えます」と岸氏は話す。移行にプラスアルファとなる要素を提案できることがテンダの強みとなっている。
(協力:株式会社テンダ)