「仕事のIT」聞いてみました

業務ノウハウ伝達のキモは「マニュアル」、短時間&低コストで作る業務ソフト「Dojo」

本連載では、仕事で知っておくとちょっと便利なお役立ちサービス・製品を、担当者に直接聞いてご紹介していきます。バックナンバーはこちら

 株式会社テンダが提供する「Dojo(ドージョー)」は、操作マニュアルなどを作成するツールだ。

 「シンプルな操作手順書を作るのであれば、30分で完成させることができます。さらに、Dojoはeラーニングの教材作成のために利用することもできますし、企業の皆様にとっては導入メリットがあるプロダクトだと思います」(同社ビジネスプロダクト事業部事業部長の川橋浩二氏)という。2400社の企業が導入するDojoとはどういった製品なのか。

マニュアル制作の苦労を解消、手間・時間が80%削減

 「Dojoのユーザーは、情報システム部門の方が圧倒的に多いですね」――川橋氏はDojoの実態をこう明らかにする。

株式会社テンダ ビジネスプロダクト事業部事業部長の川橋浩二氏

 「自分たちで作ったシステムを社内に導入させる際、情報システム部門では画面を撮影してマニュアルを作っていました。作ったシステムを使っていくだけで記録してくれるDojoは、手軽にマニュアル作成ができるようになる。この点が評価され、情報システム部門ユーザーが多いのです。」

 利用企業の業種を見ても、情報通信業の利用が最も多い。平均的には従来のマニュアル製作にかかっていた手間・時間を80%削減するが、ある企業では98%削減と劇的な効率化を実現している。これまでマニュアル作りに苦労してきた企業に導入されているのだ。

プリンタドライバのインストールマニュアル作成例

 マニュアルを作成したいアプリケーションを起動し、操作していくことで自動的にキャプチャーが保存される。キャプチャーの範囲も、全画面、アプリケーションウィンドウ、アクティブウィンドウなど設定できる。操作説明文も、アプリケーションをクリックし、キーボードのキーを押すといった作業を自動作成する機能、PowerPointで作成した画像を背景などで取り込むことや、パスワードなど隠したい部分にマスキング/モザイクをかける機能も用意されている。

 効率だけでなく、誰が作っても高品質なマニュアル作成ができることも評価されているポイントだ。

 最低限のアウトプットは、該当するシステムを利用するだけでその様子が記録されることで完成するが、見やすく、使いやすいマニュアルへブラッシュアップしていくための編集機能も充実している。見栄えの良いマニュアルを作成する必要がある場合には、この編集機能を使えばよい。

 できあがったマニュアルは、Wordファイルとして出力することも、HTMLファイルに出力することも可能。Wordファイルであれば紙への出力に適し、HTMLファイルであればウェブベースのマニュアルとして企業内に展開することが可能だ。

 なお、用意されているライセンス形態は、単体動作する「スタンドアロン版」、ドングルを使用しない「Dojoフローティング版」など。ライセンス形態によっては、「日本国内の同一法人においてコピーフリー」という条件になっているものもある。

自動音声合成の編集画面

社内システムを疑似体験するeラーニング教材も作成可能、研修コスト削減に

 事例としてはサポート部門がDojoを導入し、サポートの運用マニュアルとして利用している例もある。サポート部門が部門内で利用する共通コンテンツを作る際にDojoが活躍している。さまざまな部門のマニュアル作成にDojoが活躍している。

 また、システムの画面を記録していく機能を生かし、Dojoをeラーニング教材作成ツールとして利用する企業も多い。

 「システム画面を記録していくことで、『この画面が出たらクリックしてください』といった、臨場感があるシステムを疑似体験するようなeラーニングコンテンツを作成することができます。マニュアルとセットで、体験型のeラーニングツールとして利用している企業も多いのです。」(川橋氏)

 作成したシステムを社内に定着させるために、担当者が事業所に出向いて研修を行う集合研修を実施する企業も多い。そこにeラーニングを組み合わせることで、集合研修の回数を減らして、担当者が事業所に行脚する時間とコストの削減ができると好評だという。

 「Dojoをeラーニングのためのツールとして導入したところ、それまで社内研修にかかっていたコストを1800万円削減することに成功した企業もあります」(川橋氏)と、大幅なコスト削減を行う事例も出ている。

機器操作マニュアルの再生画面例

ビジネスチャット「TENWA」と連携、社内マニュアルからはじまる社内コミュニケーション実現

 テンダではDojoをはじめ、社内コミュニケーションのためのビジネスチャットツール「TENWA」など、複数の製品を提供している。複数製品を連携した利用を提案し、企業から評価を得ているという。

 「最近では、Dojoで作ったマニュアルをTENWAで共有し、マニュアルを見た人は『見ました』ボタンを押すといった使い方をしませんか?と提案しています。マニュアルを社内ノウハウが詰まった重要なコンテンツとして利用していくために、システム的に自動確認で見たのか見ていないのかを判別するのではなく、それをきっかけにコミュニケーションを発生させましょうという提案です。」(川橋氏)

 社内のノウハウが詰まったDojoで作成したコンテンツは、企業にとって重要な財産だ。社内コミュニケーションとセットで提供することで、社内に定着させることを狙った導入ということになる。

 作成したマニュアルは「企業秘密なので、クラウドにアップしたくない」という声もある反面、手軽な共有を望む声もある。もちろん、そうした声に対応できるのも特徴で、クラウドを使わずに処理することもできるし、逆に手軽に共有したい場合はクラウドベースのTENWA、配信管理やeラーニングを行いたい場合は「GAKTEん」などを提案できるという。こうした複数製品を連携した提案はもちろん、「もし、製品だけでカバーできないのであれば、システム開発部門がいますので、そこから提案を行っていくことも可能です」と、川橋氏はトータルな提案を行えるテンダの強みをアピールする。

(協力:株式会社テンダ)