週刊Slack情報局

Slack、メモリ使用量50%削減、起動も33%速く。コードを一から記述し直して大幅な軽量・高速化

一般企業でも利用が広がっているビジネスコミュニケーションツール「Slack」。Slack Technologiesの日本法人であるSlack Japanはこのツールのことを“ビジネスコラボレーションハブ”と表現しており、あらゆるコミュニケーションやツールを一元化するものと位置付けている。本連載「週刊Slack情報局」では、その新機能・アップデート内容などを中心にSlackに関する情報をできるだけ毎週お届けしていく。

 「Slack」のデスクトップアプリのコードが一から記述し直され、大幅な軽量化・高速化が図られた。起動が33%高速化されたほか、「Slack コール」の接続速度も改善され、チームメンバーからの着信通話に参加するまでの時間が10倍速くなったという。アプリのメモリ使用量についても、従来比で50%削減したとの数字が示されている。Slack Technologiesが22日、最新版デスクトップアプリにおけるアップデート内容を同社公式ブログで公表した。

 なお、このアップデートは、7月前半にリリース済みの最新バージョン「4.0.0」(Windows版Mac版、ベータ提供中のLinux版)に含まれており、今後、数週間をかけてロールアウトしていく予定だ。

 また、Slackのデスクトップアプリだけでなく、ウェブクライアントで利用しているユーザーにも、同様のメリットを実現しているという。

 新しいデスクトップアプリは、マルチワークスペース対応を前提としてコードベースをゼロから再構築した。従来は複数のワークスペースに対して複数のプロセスが実行されるアーキテクチャだったため、複数のワークスペースにサインインすると、Slackが多くのメモリを消費していたという。

 Slack Engineering公式ブログには、新旧でメモリ使用量を比較したグラフを掲載しているが、従来は複数チーム(ワークスペース)で使用した場合、特に3チーム以上ではメモリ使用量が大きく増大するのに対して、新しいアーキテクチャとなった最新版では、単一チームで使用する場合とあまり変わらないメモリ使用量に収まっていることが分かる。

 「Slackを経由する会話、情報やアプリの数が増加するのに合わせて、それを支えるテクノロジーも拡張していかねばなりません。このためSlackでは、増え続けるワークスペースやチャンネルを通じて高速かつ効率的に動作するよう、デスクトップアプリの更新を行いました。今回リリースの最新版デスクトップアプリを活用することで、メンバー数が10人でも1万人でも、組織の規模を問わず、チーム間でのスピーディーな対応とコラボレーションが実現します。」(Slack公式ブログ)

 UIコンポーネントについても、全て、JavaScriptフレームワーク「React」で再構築したという。また、インターネット接続が不安定な場合でも、以前に開いたチャンネルや会話を表示できるようになっており、接続エラーメッセージが表示されて作業がストップしてしまうことがなくなるとしている。