いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説
名刺管理をフックにビジネス活性化SNSに進化中、個人向け名刺管理アプリ「Eight(エイト)」
2016年6月22日 06:00
サービス名 | Eight |
リリース日 | 2012年2月28日 |
運営会社名 | Sansan株式会社 |
料金 | 無料 |
URL | https://8card.net/ |
登録 | 必要 |
社会人になると、名刺交換の場面が増えていきます。すぐに整理しないと、あっと言う間に溜まっていき、肝心なときに連絡先を見つけられないということも起こります。フォルダーに入れて管理しているつもりになっても、増えれば探しにくくなってしまいます。今、名刺入れが未整理の名刺で膨れあがっている方、効率的な管理方法を探している方は、オンライン名刺管理サービスを活用してみましょう。
スマホやパソコンからすぐ名刺にアクセスできるように!
「Eight(エイト)」は、スマートフォンのカメラやスキャナーで撮影した名刺を登録すると、自動的にテキスト化され、クラウド上に保存してくれる個人向けの名刺管理アプリ(サービス)です。登録された名刺は、スマートフォン用アプリ(iOS/Android)のほかに、パソコンのウェブブラウザーからいつでもアクセスすることができるようになります。
基本サービスの利用は無料で、名刺は片面または両面のいずれかを選択して撮影・登録できます。登録した名刺には任意のタグによるグルーピングが可能。もちろん検索もできるので、どれだけ増えても、必要な連絡先をすぐ探し出せるというわけです。取り込んだ名刺はすべてクラウド上に保存されているので、スマートフォンの空き容量を心配する必要もありません。
「Eight」の大きな特徴は、送った名刺画像の項目が自動的にデータ化されること、名刺交換した相手と「Eight」上でもつながることで常に情報を最新に保てること、「Eight」上に個人のプロフィールページやフィードをもっており、ビジネスSNSとしても使えること、Eightユーザー同士なら、オンラインまたは対面のワイヤレスで名刺交換できることの4点です。
名刺が登録されるまでの所要時間は混み具合によって変わるようですが、早いときなら1件につき数分で登録されるようです。ただし場合によっては時間がかかったり、データ化される項目が限定される場合もあります。また、無料サービスでは、登録した名刺データのダウンロードはできません。
この点をカバーした「Eightプレミアム」プランも提供されています。プレミアムプランでは、名刺データのダウンロード、優先的なデータ化、全項目のデータ入力に対応し、価格はiOS版は月額480円、または年額4800円、Android版は月額400円、または年額4000円(自動更新)となっています。
オペレーターの目を通しているので高精度
「Eight」の最大のウリは、なんといっても名刺のデータ化でしょう。自分で入力するとなると面倒でつい放置してしまいがちですが、ここを丸投げできるわけです。ほぼ間違いのない高い精度でデータ化され、登録されるのですからありがたいですね。
送られた画像はOCR処理にかけられ、オペレーターが人力でデータ化します。特にメールアドレスは2回入力することで、その精度を高めているとのことです。
人の目が入るというと、誰かが自分の送った名刺を1枚ずつ見ているようなイメージを抱くかもしれません。誰かに見られていると思うと、気持ち悪くて使えないと思う方がいても不思議ではありません。
しかし、「Eight」ではOCR処理をしたデータを断片化してからオペレーターに送っているため、仮に「山田太郎」という断片があったとしても、それがどこの山田太郎で、連絡先はどこで、誰とつながっているのか、ということまではオペレーターには分からないといいます。オペレーターが見ているのはあくまでも名刺データの一部なのです。
運営しているSansan株式会社は、もともと法人向けの名刺管理サービスを提供する会社であり、プライバシーマークも取得、3000社を超える企業の信頼を得ていると思えば、安心度も増すのではないでしょうか。
相手もEightユーザーなら、名刺の情報は常に最新に保たれる
もらった名刺を久しぶりに見て連絡したら、すでに相手は退職していた、ということも起こりえます。その点「Eight」内で相手とつながっていると、登録した情報は自動的に更新されます。
過去に名刺交換をした相手が「Eight」を利用している場合、自分の名刺も登録されています。ここで自分の名刺を登録すると、自動的に「名刺交換リクエスト」がやってきます。承認するとそこでつながりが生まれ、お互いの連絡先を最新に保てるという仕組みです。しかも自分が名刺を読み取るまでもなく、相手の名刺が登録されるのでとてもスピーディ。筆者の場合、自分のプロフィール用の名刺を保存しただけで、60人分の情報を登録できました。
近況を伝えることも、いいねをすることもできる「ビジネスSNS」
当初は名刺をオンラインで管理できるサービスだった「Eight」ですが、徐々に進化し、現在は個人プロフィールページやフィード、メッセージ機能を実装し、パソコンからも名刺データとともにアクセスできるなど、ビジネスSNSへと進化しています。
プロフィールには最大20枚まで名刺を登録可能。会社名、部署、メールアドレス、電話番号、住所に加えて、仕事内容、キャリアサマリー、職歴、生年月日・性別、Facebookへのリンクも登録できます。フィードには近況を投稿できるので、転職したときは、つながっている相手に伝えることもできます。
「Eight」にはFacebookとの連携機能も備わっています。Facebookは友達になっておくと、メッセージのやりとりに便利ですが、取引先には特に見せる必要のないプライベートな面や、行動までうっかり晒してしまう危険もあります。また、ビジネス上の付き合いなのに、友達扱いするということに抵抗を感じる場合もあるでしょう。名刺情報がベースで、ビジネス上のやりとりに特化した「Eight」なら、仕事の連絡用として割り切って使うこともできそうです。
もう1つユニークなのは、NIKKEI IDとの連携機能です。連携させると、自分が管理している名刺にかかわる企業のニュースがフィードに配信されます。現在は上場企業に限定されるようですが、取引先に関するニュースをピンポイントで読めるので、すでにアカウントをお持ちなら活用してみましょう。
オンラインでもオフラインでも名刺交換ができる
「Eight」のユーザー同士で名刺交換ができるのも魅力の1つです。オンライン、オフラインともにOK。特にオフラインでは、紙の名刺がなくても、ワイヤレスで名刺情報を交換できます。あとで撮影する手間すら省けるわけです。
もし打ち合わせで初めて会う取引先の方が「Eight」を使っていると分かっているなら、Eightネットワークで名前を検索し、事前にオンラインで名刺交換しておくこともできます。
特に人数の多い打ち合わせでは、最初の名刺交換に時間がかかることもあります。また、交換した直後から、誰の名刺だったか分からなくなってしまうというのも、“名刺交換あるある”です。
先にオンラインで名刺交換しておけば、相手のプロフィールを顔写真入りで見ておくこともできるので、話も始めやすいはずです。
これ誰だっけ、が防ぎやすい
自分で入力しなくてもデータ化され、いつでもどこでも常に最新の連絡先が確認できる「Eight」。プロフィールやフィードが追加されたおかげで、相手のことがより分かるようになりました。特に顔と名前が一致しにくい方にとっては、とても心強いサービスといって間違いないでしょう。SNS機能もあるので、自分のキャリアや実績をアピールしたい方にもうってつけです。
ちなみに、SNSというと人間以外のキャラクターをプロフィール写真に使う例は多いですが、せめて「Eight」用は本人の顔のほうがいいかもしれませんね。