いまさら聞けない!? ちかごろ話題のサービス・アプリをさくっと解説

見る側から作る側に移りたくなるコンテンツプラットフォーム「note」

note
サービス名note
リリース日2014年4月7日
運営会社名株式会社ピースオブケイク
料金無料(月額500円の有料プランあり)
登録投稿、コメント、コンテンツを購入する場合などは必要
URLhttps://note.mu/
https://itunes.apple.com/jp/app/note-noto/id906581110?mt=8(iOS用アプリ)
https://play.google.com/store/apps/details?id=mu.note&hl=ja(Android用アプリ)

 ネット上で文字や画像、音楽を使ったなんらかの作品を見てもらいたい、クリエイターとしてデビューしたいと考えているけれど、今からブログを開設しても、無名の自分がアクセスしてもらえるようになるまでどれくらいかかるんだろう……。そんなことを考えている方には、「note」をおすすめします。

個人がメディアになれる場所

 noteは、ユニークなコラムや記事を多数提供しているメディア「cakes」を運営するピースオブケイクが、2014年4月7日から提供しているサービスで、個人のクリエイターが自分のメディアとしてマンガ、コラム、小説、写真、音楽、動画などを投稿できるプラットフォームです。プラットフォームというとちょっと難く聞こえるかもしれませんが、要するに作品を発表できる場所です。パソコンのウェブブラウザーや、スマートフォン用のアプリで利用できます。

会員登録していない状態では、公開されているコンテンツのみが表示されます
会員登録をすると投稿用のフォームが現れ、すぐに投稿できるようになります

 多様な執筆陣によるコンテンツが掲載されるcakesと同様に、noteにもさまざまなコンテンツがあり、自由に閲覧できます。cakesと違うのは、noteは誰もが作品を発表できるという点です。公開できる作品のジャンルは漫画、コラム、小説、写真、音楽で、「ノート」とノートを束ねた「マガジン」を作成できます。

 しかも、課金システムも用意されているので、ユーザーが作品を100円から販売することもできます。支払いは、クレジットカード、携帯電話のキャリア決済に対応。一部の定期購読型マガジンでは、コンビニ決済も選択できます。

2つのプランを用意

 noteの利用については、無料で公開されているコンテンツを見るだけなら登録は不要ですが、何かアクションを起こしたいときは会員登録をしましょう。すでにcakesのアカウントがある場合は、そのまま利用できます。

 noteには、無料の通常会員と、月額500円のnoteプレミアム会員の2種類があります。

 通常会員でできるのは、自ら作品を投稿するほか、他のクリエイターのフォロー、作品にコメントを残す、「スキ」をつける、有料コンテンツの購入、サポート(投げ銭)などです。

クリエイターをフォローすると自分のタイムラインに作品が流れてきます。このあたりはSNSと同じです

 自身のファンが増え、もっとたくさん作品を登録したいというときには、有料のnoteプレミアム会員へのアップグレードがおすすめです。

 noteプレミアム会員では、定期購読コンテンツの作成や、最大10名での共同運営マガジンの開設(通常会員は最大3名まで)、予約投稿機能、コメント欄のON/OFF機能、数量限定販売ができるようになるほか、作れるマガジンの数が通常21個から1000個へ、有料ノートと有料マガジンの販売価格の上限が通常100円~1万円(税込)までのところを、最大5万円まで拡大できます。

noteプレミアム会員
より多くの作品をアップしたい人向けの機能が揃っている

 なお、販売価格は100円から各プランの上限まで、クリエイターが自由に設定できます。支払金額が1000円以上になると、支払金額の受け取り手続きができるようです。支払い金額は、代金から決済手数料、プラットフォーム利用料、および金融機関の振込手数料を差し引いた残額となります。

 プラットフォーム利用料とは、代金から決済手数料を控除した金額に10%を乗じた金額。売れたときのみ発生するので、気兼ねなく公開できます。

誰でもデジタルコンテンツの販売に挑戦できる場

 ここで気になるのは、あえてnoteを使う理由ではないでしょうか。無料のブログサービスも多々ありますし、フォローしてもらいやすいSNSやSNS内のコミュニティもあるので、コンテンツはどこにアップしてもいいわけです。

 ブログやSNSとの最も大きな違いは、課金システムが使えるという点、無料で公開している作品にも「サポート」というシステムがあること、クリエイターの集まりであるがゆえに、コンテンツが流通しやすいことの3つが挙げられるでしょう。

noteで公開されている堀江貴文氏のメルマガ
途中までは無料で読めますが、続きは有料に。noteでは、このような設定も可能に。note内のコンテンツは、他のSNSにシェアできます

 ブログやSNSでも個人的にファンを獲得できますが、いきなり始めてもノウハウがないと、ネットの大海の底に埋もれてしまいます。しかし、フリーマーケットに参加したほうが、それを目的としている人達の目に触れやすいのと同じで、プラットフォームとして1カ所に集まる(集める)ことで、目に触れやすくなる効果があります。

 コンテンツを探す側としても、そこにクリエイターが集まっていると分かっているほうが、おもしろそうな読み物を発掘できるのではないかというワクワク感もあります。

 なによりも課金システムの存在は、他と大きく差別化される点です。たとえばブログのアフィリエイトで稼ごうと思ったら、アクセス数が命になります。しかしnoteの作品では、今投稿した作品が直接課金対象になるので、初めてアクセスしてくれた1人に売れる可能性もあるわけです。

 また、noteの「サポート」という仕組みもクリエイターの励みになるでしょう。「販売」はクリエイター側が設定した金額で販売することですが、「サポート」は閲覧者側が自由に金額を決めて支払えるおひねりや投げ銭のようなもの。無料作品に標準で装備されているので、まだ値段が付けられないと思っているものでも、読み手の感覚で値付けできるわけです。

無料で公開されているコンテンツについている「サポート」ボタンをクリックすると、100円、500円、または任意の金額を送れるようになります

 見ていると、自分も何かしてみようかと思わされるnote。作品の選び方、値付けなど、すべて自分でコントロールできるので、必ずしもプロになりたい素人が使うものではなく、すでに活躍している人が、新たなジャンルで作品を発表する場として活用してもよさそうです。

投稿フォームはシンプルです
テキストの投稿画面例。写真とタイトル、本文を美しく配置できます。写真はInstagramからの挿入も簡単
公開時に無料か有料かを選択します

すずまり

プログラマからISPの営業企画、ウェブデザイナーを経て、現在はIT系から家電関連まで、 全身を駆使してレポートする雑食性のフリーライターに。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。 睡眠改善インストラクター、睡眠環境診断士(初級)。