「ベローチェなう」から始まったエンジニア兼経営者のリモートワーク

　こんにちは、Javasparrow株式会社の國舛といいます。会社を運営しながら開発しています。

　弊社は、IoT機器の企画から販売を行う傍ら、1月22日にスマホでも簡単にオリジナルの写真付きカレンダーや雑誌が作って売れるサービス「Publy」をローンチしました。在庫を持たず、製造から発送を弊社が行うので気軽に始められるようになっています。

　個人では、複数企業でフリーランス人材を共有できるサービス「ビオレイク」を運営しています。ビオレイクは、フレンド企業間でフリーランスを共有する人材プールサービスで、稼働実績のある人材を複数の企業が共有し合うことで、質の高い人材プールの構築を実現します。

　今回は、IoT機器やウェブ／アプリの開発に従事する現在のワークスタイルを、過去を織り交ぜながら書いてみたいと思います。

「ベローチェなう」が原点のリモートワーク

　2012年ごろのサラリーマン時代、午前中はベローチェでコーヒーを飲みながら仕事が一段落すると出社するスタイルでした。社内チャットに「ベローチェなう」とつぶやき続けることで、「仕事始めましたよ」という認識が社内に広まり、許されている感じでした。

　カフェでの作業が日常になると、持ち物や作業設備もそれに適するスタイルになっていきます。その結果、外部ディスプレイやマウス、キーボードは使わなくなり、パソコン1つで作業するというスタイルが定着し、今に活きています。

　現在、Javasparrowでは週3日程度を業務委託というかたちで他社の開発や量産の支援を行い、残りの時間を会社の運営や自社プロダクト開発・生産などに充てています。共同代表2名、従業員ゼロの会社なので、基本的には自分たち2人で意思決定と実務をこなします。週に2日程度会えるかどうかという体制で運用しているので、基本はリモートで物事を進めますが、これもパソコン1つで十分に運用できています。

自宅リビング

「リモートワークありき」の生産拠点

　もともとJavasparrowは、共同代表の自宅でIoT機器を生産していましたが、生産効率向上のため、生産・倉庫・研究開発を兼ねた現在の事務所を契約しました。

　事務所は木材屋で買った生の板をカットして、IKEAの足をネジ止めする格好で机を成しています。写真では分かりにくいですが、生産するときに左から右へ1つの方向に流れることで生産できるよう、なるべく長い机にしたい、そういう設計にしていました。しかし今では当時より良い生産方法を確立できたので、生産よりデスクワークに向いた配置をしています。

事務所生産中

　床は畳なので、ブルーシートを敷いた上にフローリング材を敷き詰めて床を作っています。冷暖房を数年持たず地獄のような環境で生きてきましたが、去年の夏、暑さ対策に窓に付けたクーラーを、寒さ対策にセラミックヒーターを導入することで、十分環境が整いました。週2日通うかどうかの事務所だと、どうしてもそのあたりの設備が後手になってしまいます。

　インターネット回線は、現在も固定回線がありません。月あたり100GBを使えるモバイルWi-Fiを法人契約し、互いにカフェや自宅作業だったり事務所で使っています。このあたりも事務所の利用頻度やリモートワークを考えた結果です。電話もIP電話を2回線契約し使い分けていますが、もちろんスマートフォンで通話します。

　IoT機器の開発となると設備が多少なり必要になります。例えば、安定化電源やオシロスコープはハードウェア開発には欠かせない設備ですが、最近のものだと小型で持ち運びができるモバイル製品が増えてきているので場所には困りません。どちらかというと在庫に囲まれた事務所という感じです。

在庫1

在庫2

　現在はIoT機器やウェブ／アプリを開発して生活していますが、今後どうなるかは良くも悪くも自分次第で変えていける立場にいます。インターネット回線はもちろん、ビデオ会議や周辺の機器などのツールやインフラが広く認知された今、よりさまざまな価値観や働き方が認められる社会になっていくと想像できますが、その中で個人がどう活躍できるか、私生活をどう充実できるか、リモートワークという働き方とともに、より自分自身にとって良い方法をこれからも追求していきたいと思います。

國舛 等志

IoT機器の企画から販売までを行うJavasparrow株式会社で会社の経営と開発をしている傍らで、「ビオレイク」の開発・運営を個人でやっています。