イベントレポート

プログラミング体験キャラバン

「第2回全国小中学生プログラミング大会」のプレイベントで体験できたプログラミング/ロボット教材たち

「プログラミング体験キャラバン」。小中学生向けワークショップの入場の様子

 小中学生を対象としたプログラミングコンテスト「第2回全国小中学生プログラミング大会」のプレイベントとして、「プログラミング体験キャラバン」が6月24日に開催された。

 第2回全国小中学生プログラミング大会は、「こんなのあったらいいな」をテーマに、8月1日~9月15日に応募を募る。応募資格は日本在住の6~15歳の小学生・中学生。主催は全国小中学生プログラミング大会実行委員会で、実行委員長は稲見昌彦氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)、実行委員は遠藤諭氏(株式会社角川アスキー総合研究所取締役主席研究員)、清水亮氏(株式会社UEI代表取締役社長兼CEO)、石戸奈々子氏(NPO法人CANVAS理事長)が務める。共催が株式会社朝日新聞社。後援に文部科学省、総務省、経済産業省を予定している。

 プログラミング体験キャラバンは、そのプレイベントとして朝日新聞社を会場に開催された。午前にはプログラミング教育について語るシンポジウム「新しい学びと子どもたち」が開かれ、午後には子どもたちが実際にプログラミングを体験する「小中学生向けワークショップ」が開かれた。また、1日に6回、30分の「子ども向けプログラミング教材体験コーナー」も開かれた。

ビジュアルプログラミングで車を走らせる

 ワークショップは事前申し込み制で開催。2回に分けられ、各回ごとに2コマ、計4コマが開かれた。1回目の枠は、ScratchをベースにしたiPad用アプリ教材「Pyonkee(ピョンキー)」と、ゲームエンジン「Unity」という、ストーリー作りのコマだった。

 また、2回目の枠は、ブロック式ロボット「アーテックロボ」と、レゴブロックによるロボット「LEGO MINDSTORMS EV3」の2種類の教材で、くるま型ロボットをプログラミングするコマだった。

「アーテックロボ」のワークショップ

 アーテックロボのワークショップでは、くるま型ロボットとノートPCが1人1セット用意された。まず、ロボットの構造を説明。そして、Scratchをベースにしたビジュアルプログラミング環境の使い方と、プログラムをロボットに転送する方法を学んだ。

 その後、コースのスタートからゴールまでロボットを直進させるプログラムを各自で作り、前のスペースで試しては修正し、うまくいくように仕上げた。次の課題として、途中で直角に曲がるコースを用意し、ちょうどいいところでロボットが曲がるようにプログラムのパラメータを変えながら試行錯誤した。

「アーテックロボ」のくるま型ロボット
ロボットの構造の説明
プログラムを作ってロボットに転送
真っ直ぐのコースを走らせる
途中で曲がるコースを走らせる

「LEGO MINDSTORMS EV3」で自動運転

 LEGO MINDSTORMS EV3のワークショップも、くるま型ロボットとタブレットを1人1セット使って実習した。まず、ロボットについて説明。そして、タブレットを操作して前に進め、さらに数値を逆にして元に戻した。

「LEGO MINDSTORMS EV3」のワークショップ

 さらに、超音波センサーを使って前にぶつかりそうになったことを検知して後退するプログラムや、カラーセンサーで地面の反射光を調べて黒い線に沿って走るプログラムを試した。最後に集大成として、みんなで長いコースを黒い線に沿って走り、前のロボットに追いついたら止まるプログラムを試した。

 どちらのワークショップも、1時間半と長い時間の間、子どもたちが飽きることなく集中して楽しそうに取り組んでいたのが印象的だった。また、実際に自分でプログラムした動作を試すことで、うまくいかない部分を試行錯誤しながら原因を探って直すという、プログラミングに必要な思考法を実践しているのも興味深かった。

くるま型ロボットとタブレット
ロボットを前に走らせる
センサーに手をかざしてタブレットで確認する
黒い線に沿って走らせる
みんなで長いコースを走らせる

体験コーナーも開催

 「子ども向けプログラミング教材体験コーナー」では、1日6回、30分ずつ体験実習が開かれた。上でレポートしたアーテックロボの回と、ブロックを組み合わせてJavaScriptプログラムを作るビジュアルプログラミング環境「MOONBlock」の回が交互に実施された。

「子ども向けプログラミング教材体験コーナー」で、「MOONBlock」を体験