イベントレポート

働き方改革EXPO

「VAIO Secure SIM」を10月より提供、ソフトSIMと物理SIMが連携して仮想閉域網接続を自動認証

 7月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催中の展示会「働き方改革EXPO」において、VAIO株式会社が「VAIO Secure SIM」を展示している。仮想閉域網を通じて通信を行うことで、LTEやWi-Fiなどの経路を問わずに通信の安全性を確保する。提供開始は10月の予定。

 月額料金は1GBが2000円、3GBが3000円、5GBが4000円。SMSや国際ローミング、通信容量を1GB単位で追加できるクーポンも提供される予定。

11.6型液晶を搭載するSIMフリーモデル「VAIO Pro PF」

 動作には「LTE-X Software SIM」「LTE-X Agent Software」が必要で、対応OSはWindows 10 64bit(April 2018 Update)のみ。PCを起動すると、LTE-X Agent Softwareが自動的に仮想通信網へ接続する。その際の接続回線は、LTEだけでなくWi-Fiなどでも接続が行われる。

「VAIO Secure SIM」の接続イメージと、VPN接続や閉域網SIMとの比較

 LTE-Xが開発した「LTE over IP」技術を用いており、LTE-X Software SIMと物理SIMが連携して動作し、仮想閉域網へ接続する際の認証を行う。いずれか一方が欠けても認証が行えない仕組みとなる。この認証技術をVAIOとLTE-Xが共同開発。また、「仮想閉域網は多対多で接続を行う点も、VPNにおける1対1の場合とは異なる」(LTE-X)とのことだ。

 仮想閉域網の接続先となる「セキュアコア」は、LTE over IPの技術を開発したLTE-Xが運営。セキュアコアから企業の自社ネットワークや、AWSなどのクラウドサービスへ接続するための専用回線の料金は個別見積もりとなるが、既存の業者が提供する回線を再販するかたちで提供するという。なお、セキュアコアから先の回線に通常のインターネット回線を用いれば、SIM料金のみで通信を利用できる。

 SIMの通信はソフトバンクのLTE網を用い、miniSIM/microSIM/nanoSIMをラインアップ。プランに応じて指定容量や期間による速度制限もある。

 また、セキュアコアから各種のクラウドサービスへ社内向け回線を経由せずに直接接続されるため、ネットワークへの負荷も低減できるとしている。

 エージェントを用いて回線に自動接続を行うが、現在は10月の提供へ向けて開発中とのこと。10月以降には、VAIOが備える指紋などの生態認証と組み合わせて利用可能とすることも検討したいとのことだ。

 VAIOでは、パスワードやトークンが不要なため、運用や管理、ユーザー教育のコストが低減できる点も特徴としている。