イベントレポート

Dell Technologies Forum 2019

最新PCのセキュリティ機能を紹介、電子的プライバシーフィルターや近接センサー併用のサインイン機能など

Dell Technologies Forumレポート

 Dell Technologiesの事業を日本で展開するデル株式会社とEMCジャパン株式会社は、企業向けイベント「Dell Technologies Forum 2019 - Tokyo」を10月23日に開催した。

 ブレークアウトセッション「デルのクライアントソリューションで仕事を瞬時にスマートに」では、仕事を効率化するためのデルのPCとWindows 10の最新機能について、デルの飯塚祐一氏(クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 フィールドマーケティングマネージャー)と、日本マイクロソフト株式会社の佐藤実氏(コンシューマー&デバイス事業本部 デバイスマーケティング部 コマーシャルエバンジェリスト)が紹介した。

Windows 10はどんどん「カイゼン」していくOS

デルの飯塚祐一氏(クライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 フィールドマーケティングマネージャー)

 デルの飯塚氏は背景としてまず、Society 5.0において、テクノロジーを使用して人々が希望する働き方を実現することの重要性を語った。

 飯塚氏また、シリコンバレーの「カイゼン」を論じた。テスラの車は、買った車がどんどんソフトウェアによりアップデートされて機能が拡充されるという「カイゼン」が最大のポイントだという。また、Netflixが小さな会社から成長を遂げた理由として、データにもとづいて「カイゼン」する「データ・バーチュアス・サイクル」を回してきたことがあるという。

シリコンバレーのカイゼン

 そして、Windows 10も、一度買ったWindows 10がどんどんアップデートされ、機能拡張されていることが特徴だと説明した。

Windows 10のカイゼン

サイトを隔離するEdgeのアプリケーションガード

日本マイクロソフト株式会社の佐藤実氏(コンシューマー&デバイス事業本部 デバイスマーケティング部 コマーシャルエバンジェリスト)

 ここから実際にその機能が紹介された。

 まずWebブラウザーをセキュアにするWindows 10のアプリケーションガードを佐藤氏が紹介し、デモした。安全でないかもしれないサイトにEdgeでアクセスするときに、隔離された環境でアクセスする機能だ。

 企業では、あらかじめ登録したサイト以外は自動的にアプリケーションガードで隔離するようにも設定できるという。

 さらに、IE 11や、アプリケーションガードの拡張機能をインストールしたChromeでも、登録したサイト以外でアプリケーションガードを呼び出されること(Edgeが起動する)がデモされた。

アプリケーションガードのウィンドウサイトを開いたところ。ウィンドウ左上のアイコンが変わっている
拡張機能をインストールしたChromeからアプリケーションガードのEdgeが開く

Windows HelloなどWindows 10とLatitudeの認証やセキュリティの機能

Windows Helloによる顔認証のデモ

 続いて、生体認証でWindows 10にサインインするWindows Helloが紹介された。Windows Helloの意義について佐藤氏は、パスワード認証はPCを使う人にも管理する人にも便利ではないと語った。パスワードを破られるセキュリティ問題が増えているのと同時に、パスワードを忘れた場合のサポートの手間も大きい。

 そこで指紋認証や、カメラによる顔認識でサインインするのがWindows Helloだ。

パスワード認証の問題

 さらに飯塚氏は、Latitudeの最新機能であるExpress Sign-Inを紹介した。近接センサーとWindows Helloにより、人が近づくとPCがオンになりサインインするというものだ。ポイントは「近づくとサインインする」だけでなく、人が離れるとサインアウトする点で、これが近接センサーを併用することによるメリットと言える。

 そのほか、Latitude 7000シリーズの機能として、SafeScreenも紹介された。プライバシーフィルターの機能を内蔵したもので、ファンクションキーから有効にすると、電子的に画面が横から見えづらくなる。以前にも類似の機能があったが、バッテリー駆動時間などを改善して再登場したという。

SafeScreenのデモ動画

Azure上のWindows 10を使うWindows Virtual Desktop

 続いて佐藤氏は、Windows Virtual Dektopを紹介した。VDI(Virtual Desktop Infrastructure)のようなもので、Azure上で動くWindows 10をリモートから利用できる。すでに米国のデータセンターでは稼働しているという。

 Windows Virtual Dektopは、ライセンス的に、Windows 10を同時に複数セッションで使えるマルチセッションを利用できるのが特徴だという。

Windows Virtual Desktop

 また、Office 365のインストール版の一種であるOffice 365 ProPlusに最適化されていることや、Windows 10全体でなく、アプリケーションのみを仮想化する使い方もできる。Windows 10のほか、Windows 7仮想デスクトップも利用可能だという。

 佐藤氏はWindows Virtual Dektopとオンプレミス型VDIとの違いとして、インフラを管理する必要がない点を強調した。

Windows Virtual Desktopとオンプレミス型VDIとの違い