イベントレポート

ムーンショット国際シンポジウム

電力不要で光る植物、人工衛星を回収する衛星などを紹介

企業が研究開発を展示

 12月17日~18日に都内で開催された「ムーンショット国際シンポジウム」。開会基調講演についての前記事に続き、今回は会場ロビーに設けられた展示ブースについて紹介していく。

アバターサービスで使われる、顔が表示される「newme」

 ANAのブースでは、「ANA AVATAR XPRIZE」に関連してANAアバターを展示していた。

ANAはANAアバターを展示

 4月からサービス開始予定のアバターサービス「avatar-in」で使われる「newme」や、Agilty Roboticos社開発の二足歩行型アバターが並んでいた。

 なお、newmeは会場でも講演をリモート聴講するデモに利用されていた。

講演をリモート聴講するnewme
newmeには自分の顔が表示される
アバターを操縦する画面

民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」

 月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に参加していたチーム「HAKUTO」の会社である株式会社ispacoeは、現在の民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」について展示。月面探査機と月着陸船の模型を並べていた。

ispacoeの展示
月面探査機の模型
月着陸船の模型

寿命を過ぎた人工衛星を回収する衛星「ELSA-d」

 民間のスペースデブリ(宇宙ゴミ)除去サービス企業のAstroscoaleは、寿命を過ぎた人工衛星を回収する衛星「ELSA-d」についてビデオなどで紹介していた。

Astroscoaleの展示
人工衛星を回収するELSA-dの紹介ビデオ
ELSA-dの模型

無人航空機による通信プラットフォーム「HAPS」

 HAPSモバイル(HAPSMobile)は、成層圏を飛ぶ無人航空機による通信プラットフォームHAPS(High Altitude Platform Station)について展示していた。翼長78mで、太陽電池により数ヶ月飛行し、携帯などの通信基地局となる。

HAPSモバイルの展示。奥の壁に、翼断面の骨組が展示されている
航空機の模型。実物は翼長78m

人間の手の動きにリアルタイムで追従するハンドモジュール

 サイボーグ技術のMELTINは、ハンドモジュール「MELTARM」と、アバターロボット「MELTANT-α」を展示した。MELTARMは実際に、人間の手の動きにリアルタイムで追従して動作するところをデモしていた。

MELTINの展示
人間の手の動きにリアルタイムで追従するMELTARM
アバターロボットMELTANT-α

電力不要、化学発光タンパク質による光る植物

 大阪大学 産業科学研究所の永井研究室の、化学発光タンパク質によるLEP(Light Emitting Plant、光る植物)の研究も展示されていた。電力不要で光ることにより、環境にやさしい照明やイルミネーションを実現するという。

大阪大学 産業科学研究所の永井研究室のLEPの研究
暗い中で光る植物

判断結果で細胞を分離、インテリジェント画像活性セルソーター

 coYBOは、開発中のインテリジェント画像活性セルソーターを展示していた。高速顕微鏡とAI、セルソーター技術を組み合わせ、流路を流れる細胞を染色なしで画像解析により高速に分取判断し、判断結果に応じて細胞を分離するという。

coYBOのインテリジェント画像活性セルソーター

球体の振動と発光で音楽を感じるデバイスや音響技術

 落合陽一氏が率いるピクシーダストテクノロジーズは、大学発の技術を社会実装するという事業の例となる技術を展示していた。

 「SOUND HUG」は、球体の振動と発光で音楽を感じるデバイス。「Holographic Whisper」は、超音波の焦点を作ることで何もない空中の1点から音を発生させる音響技術。「Leaked Light Field」は、革などの物体に微細な穴を加工してディスプレイとしての機能を持たせる技術。

ピクシーダストテクノロジーズの展示
球体の振動と発光で音楽を感じる「SOUND HUG」
何もない空中の1点から音を発生させる「Holographic Whisper」
革などの物体をディスプレイにする「Leaked Light Field」

AIでの作業自動化、5Gによる遠隔操縦

 大林組は、AIによる作業自動化や5Gによる遠隔操縦、宇宙開発構想、月の砂からの構造物建築について展示していた。

大林組の展示