イベントレポート

Dell Technologies Forum 2020

デル、AIによるPC最適化ソフトなど、在宅ワークを効率化するソリューションを発表

Dell Technologies Forum 2020

 デル・テクノロジーズ株式会社は11月27日、年次イベント「Dell Technologies Forum 2020」をオンラインで開催した。

 本稿では、ブレークアウトセッション「リモートワーク戦略から始まるビジネス、業務環境の変革」の模様をレポートする。このセッションでは、在宅勤務でエンドユーザーやIT部門が疲弊せず生産性を向上させるためのDell TechnologiesのPC関連ソリューションについて、デル・テクノロジーズ株式会社の田中源太郎氏(執行役員 クライアント・ソリューションズ統括本部 ビジネスディベロップメント事業部長)が紹介した。

在宅勤務の3段階に合わせた対応

 田中氏はまず、パンデミックで企業の在宅勤務が進んだことを取り上げつつ、在宅勤務で生産性が上がったかどうかは状況によると語った。そして、Dell Technologiesが提唱する在宅勤務の3段階を紹介した。

 1段階目は「対処(Do it light:直ちに行う)」。この段階では、何はともあれ、短期間で在宅勤務ができるデバイスを用意する必要がある。

 2段階目は「適応(Do it right:適正に行う)」。この段階では、在宅勤務を最適化して生産性を上げる。

 3段階目は「加速(Ready for what's next:変革へ向けて)」。DXの実現に向けた、戦略的で中長期的な変革を進める。

在宅勤務の3段階

 ここで田中氏は、Dell Technologiesソリューションによる在宅勤務の効率化の事例として、設備保全サービス大手の米Mistrasグループのケースを紹介した。PCなどのデバイスの設定とプロビジョニングに負担がかかっていたうえに、パンデミックで迅速な対応が必須になったため、Dell Technologiesがサポートした。これによって、デバイスのプロビジョニングの時間を短縮したうえ、そのためにオンサイトで作業しなくてはならない人員の数を減らせたという。

米Mistrasグループの事例

「対処」の段階プロビジョニング・最適化してPCを配布

 ここから田中氏は3つのフェーズそれぞれについて、Dell Technologiesのソリューションを紹介した。

 まずは対処の段階だ。この段階では短期間で機器を配布する必要があるが、IT部門も出社が厳しいため、PCや周辺機器の設定やセキュリティ対策が難しくなっているという。また、ビデオ会議の音質が悪いとコミュニケーションを阻害するなど、機器にストレスを感じることで、社員が疲弊し生産性が低下する。

対処:デバイスの用意

 田中氏は、まず機器のストレスの問題について、AIによってPCを最適化するDell PC用ソフトウェア「Dell Optimizer」を紹介した。これにより、環境に合わせた音響設定や、よく使うソフトに合わせたパフォーマンス最適化、バッテリーの充電パターンの自動設定ができる。

対処:Dell Optimizerで機器のストレスを減らす

 そしてPCの配布を助けるのが、「Dell ProDeploy」サービスと、その中のプロビジョニングの「Dell Factory Provisioning」だ。これにより、工場でエンドユーザーごとのプロファイルや職種を適用してソフトウェアをインストールし、ユーザーに直送する。

対処:Dell Factory PorivisioningでPCをプロビジョニングして直送

「適応」の段階包括的なセキュリティ保護・管理ができる「Workspace ONE」

 次は適応の段階だ。この段階では、リモートに散らばった状態で、PC管理やセキュリティ管理などの必要がある。

適応:リモートに散らばったデバイスを管理する必要

 田中氏はそれに対して、Dell Technologiesの「Workspace ONE」を紹介した。PCからスマートフォンまで包括的に管理し、パッチやセキュリティなどをIT部門が一括管理できる。VMware Carbon BlackやSecureworks EDRなどのEDR(Endpoint Detection and Response)と組み合わせた包括的なセキュリティ保護もできる。また、エンドユーザーのプロファイルや職種にあわせてソフトウェアを配布することもでき、PCの移行も簡単になるという。

適応:Workspace ONEによる管理

 また、リモートワークでのPCの不調や故障の問題については、「Dell Support Assist」によって、トラブルの予兆を検知することで、故障を未然に防ぐ。

適応:Dell Support Assistによるトラブルの予兆検知

「加速」の段階中・長期的にシームレスな業務環境を実現

 最後は加速の段階だ。これについて田中氏は、「Dell Technologies Unified Workspace」という考えを紹介した。戦略的で中長期的なビジネスの成功に向けて、IT部門については導入時間の削減や問い合わせの減少などを実現、エンドユーザーについてはどこからでも使えるシームレスな業務環境を実現するという。

加速:Dell Technologies Unified Workspaceの考え

 こうした一連の施策について、「Dell Technologiesではこれら全てをワンストップで提供できる。PCやセキュリティなどをそれぞれ別の会社から購入する必要なしに、エンドツーエンドで提案できる」点を田中氏は強調した。

Dell Technologiesがワンストップで提供

 さらに購入モデルも、ビジネスの成長にあわせたコミットメントベースの「Pay As You Grow」、使用量ベースの「Flex On Demand」、サブスクリプションベースなど柔軟に選べることを田中氏は説明した。

さまざまな購入モデル

 最後に田中氏は「PCも単なるハードウェアレベルではもはや差別化が難しい」と述べた。そして、Dell Technologiesの企業向けPCの特徴について、AIを活用した「インテリジェント」、購入モデルや管理の「柔軟性」、さまざまな製品をエンドツーエンドで提供できる「シームレス」を改めて語った。