イベントレポート

CEATEC 2024

入れるのは1人だけ!1日52人の「贅沢なVR体験」をIPAが実施中、Apple Vison Proを利用

体験は素足で……

 10月15〜18日に幕張メッセで「CEATEC 2024」が開催されている。その中で、異色を放つのが独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が手掛けるVR体験だ。

 「巨大ブースなのに、同時に体験できるのは1人だけ」「1日最大52人」とそれだけでもすごいが、それ以上に深い体験ができる、とても贅沢なVR体験を行っている。

何をやっているのかが分からない、水色のボックス

CEATEC会場内でもひときわ目立つ、「LIFE2025」と書かれた巨大な水色のボックス。これがIPAの展示だ

 IPAの今年のテーマは「生きたい場所で、生きられる未来へ。」。それぞれ遠く離れた場所からでも、バーチャル上でも人との交流ができる2050年の世界を、VRゴーグルを装着して体験できる展示をしている。体験できる時間は1人あたり5分。

 大きなボックスの中は、2050年の住宅で、参加者はこの住宅の住民という設定だ。

大きなボックスの中で、1人だけ中に入り、VR体験

 体験できる内容などの説明をうけたのち、Apple Vision Proを装着、さらに素足になるなどの準備をする。その後、ボックスの中へ入るが、入れるのは1人のみ。

展示会の説明や、設定などの説明を受ける
室内の説明
入り口

 ボックス内へ入ると、扉が閉まり、2050年の世界へタイムスリップ。エージェントAIが音声で「あちこちに住むミュージシャンがバーチャルで音楽のセッションをはじめます」と案内する。その直後、ミュージシャンが空間内に登場し、音楽のセッションが始まる。

音楽のセッション。ミュージシャンは立体で見ることができ、まるで本人たちがいるかのように感じる

 また、遠隔にいるスタッフが室内のスピーカーを通して、「窓を開けてみてください」という声をかける。案内に従って、室内にある窓を開けると、ドローンや海を眺めることができる。

 その後、さらに縁側に進むと、海が遠くまで広がっている風景を見ることができる。

水平線まで見える水辺の様子。参加者は実際の水に浸かっていることもあり、雄大な海を眺めながら、まるで本当の水辺を歩いている気分になる

 スタッフから「水辺につかってみてください」という声がかかる。先に説明した「素足になる」のはこのための準備。実際は水深12〜13cmほどの水が張られているだけの空間だが、参加者には海の映像が映し出されているため、水辺を歩くような体験ができる。

しばらくすると、ジャンプする巨大なクジラが真上でジャンプする姿を見ることができた

 体験終了後、ゴーグルの映像をまとめた動画が作成され、動画をダウンロードするためのQRコードが渡される。

 なお、この体験には当日10時より配布される整理券が必要で、1日あたり体験できるのは最大52人。筆者が体験した2日目は、1時間ほどでその日の枠が全て埋まったという。

 なお、IPAによると、同様の展示は今後も実施するかどうかは未定だとしている。

(10/20 更新)IPAの正式名称に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。