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TP-LINK、MU-MIMOと1024QAMに対応するIEEE 802.11ac対応無線LANルーター2製品を発表
安価な11ac対応ルーターやポータブルルーター、中継器も
2016年11月8日 16:17
ティーピーリンクジャパン株式会社(TP-LINK)は8日、MU-MIMO対応の無線LANルーター「Archer C5400」「Archer C3150」、日本向けに開発された低価格無線LANルーター「Archer C55」、コンセント直結型の無線LAN中継器「RE450」、ポータブル無線LANルーター「TL-WR802N」の5製品を発表した。
Archer C5400は、8本の可動式アンテナを装備したIEEE 802.11ac/n/a/g/b対応の無線LANルーター。一度に10bitでのデータ伝送が可能な変調方式である1024QAM(NitroQAM)に対応する。これにより通信速度が約25%向上し、最大2167Mbpsでの通信が可能。また、4本のデータストリームにより、複数機器の同時接続時に実行速度の低下を抑える「MU-MIMO(Multi User Multi-Input Multi-Output)」にも対応する。
5GHz帯のバンド1/2、2.4GHz帯の3バンドに対応しており、干渉波を検出した場合に、1秒以内にバンドを動的に変更する「Zero Wait DFS」の機能も備える。また、デバイスからはSSIDは1つしか見えず、デュアルバンド対応デバイスでの接続時にどのバンドに接続するかを自動的に判断、パフォーマンスを最大化する「Smart Connect」も備える。
このほか、1.4GHz駆動のデュアルコアCPUを採用することで、複数の無線/有線LAN接続を並列処理する際のデータ転送の中断や遅延を抑えている。背面には1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tの有線LAN×4およびWAN×1、USB 3.0×1、USB 2.0×1の各ポートを背面に装備。本体サイズは230×230×43mm(幅×奥行×高さ)。Amazon.co.jpでの販売価格は2万9800円の見込みで、12月末発売予定。
Archer C3150は、取り外し可能な4本のアンテナを装備したIEEE 802.11ac/n/a/g/b対応の無線LANルーター。C5400と同様、1.4GHzデュアルコアCPUを搭載。MU-MIMOと1024QAMに対応し、最大2167Mbpsでの通信が可能。ただし、こちらは5GHz帯と2.4GHz帯のデュアルバンド対応となる。
通信速度の異なる端末を複数接続した場合、通信できる時間の長さを平等に割り当て、一部のデバイスに通信が集中することを防ぐ「Airtime Fairness」や、物理的に2本のLANケーブルを接続することで、2本分の帯域幅での通信が可能な「Link Aggregation」にも対応する。Trend Microとの協業により、URLフィルターとIPS(侵入検知システム)の機能も利用可能。
1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tの有線LAN×4とWAN×1を背面に、USB 3.0×1、USB 2.0×1ポートを左側面に装備。本体サイズは263.8×197.8×37.3mm(幅×奥行×高さ)。Amazon.co.jpでの販売価格は1万9800円の見込みで、11月中旬発売予定。
また、今後のファームウェアアップデートにより、ファームウェアのOTAアップデートの頻度を選択できる機能や、リモートコントロール、DDNS機能を無償提供するという。
Archer C55は、TP-LINK製品としては初めて日本向けに開発された無線LANルーター。IEEE 802.11ac/a/n/g/bに対応し、最大867Mbpsでの通信が可能。本体サイズは243×160.6×325mm(幅×奥行×高さ)。背面に4ポート備える有線ポートは100BASE-TX/10BASE-Tに抑えられているほか、USBポートやビームフォーミング、DLNAへの対応が省かれており、必要な機能に絞って安価に提供される製品と言える。Amazon.co.jpでの販売価格は5180円で、12月上旬発売予定。
なお、いずれの無線LANルーターもAndroid/iOSアプリ「TP-Link Tether」からのセットアップに対応する。
RE450は、IEEE 802.11ac/a/n/g/bに対応するコンセント直結型の無線LAN中継器。3本の外出しアンテナを装備し、5GHz帯による最大1300Mbpsの通信が可能。本体サイズは163×76.4×66.5mm(幅×奥行×高さ)。1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応の有線ポートも1基備え、有線LANで機器を接続できるブリッジモードにも対応する。Amazon.co.jpでの販売価格は7180円。
TL-WR802Nは、主に出張や旅行などでの用途が想定されるIEEE 802.11n/g/b対応無線LANルーター。本体サイズは57×57×18mm(幅×奥行×高さ)で、背面に装備するMicro USBポートからの給電で動作する。有線ポートは100BASE-TX/10BASE-T×1。Amazon.co.jpでの販売価格は2180円。
通常の「ルーターモード」のほか、「ブリッジモード」、「Wi-Fi中継モード」、「ホットスポット(WISPルーター)モード」の4つの動作モードに切り替えて使用できる。「ホットスポット(WISPルーター)モード」は、公衆無線LANなど既存の無線LAN配下に本機を接続するためのもの。
新製品発表会の会場には、IEEE 802.11adに対応する「Talon AD7200」も参考出品されていた。すでに米国では販売されているもので、60GHz帯の超高周波数帯域を用い、最大4600Mbpsの通信が可能となる。