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警察庁の偽サイトが見つかる、幼児猥褻・動物虐待コンテンツを見ようとした違反金として2~5万円をiTuneカードで請求

 警察庁をかたる偽の警告サイト画像を表示して、ユーザーから金銭をだまし取ろうとする詐欺サイトが見つかったことを、トレンドマイクロ株式会社が31日、明らかにした。「幼児猥褻や動物虐待などの日本の法律で禁止されている内容を含む猥褻なコンテンツの閲覧はブロックされている」「ブロックの解除には、iTuneカードで50,000円の違反金を支払う必要がある」などと表示。違反金の支払いを拒否したり、違反金を支払わないままブロックを解除しようとすると、「風営法違反」により日本の警察に通報されるなどと脅すものだ。

 トレンドマイクロでは、警察組織が違反金などの名目で電子マネーを要求することは考えづらいため、ユーザーが取るべき対策として、こうした偽の警告が表示されても無視するよう呼び掛けている。また、危険なウェブサイトへのアクセスを阻止するセキュリティ製品を利用することも挙げている。

 この詐欺サイトへは、アダルトサイトから誘導されていたことが分かっている。動画再生や外部リンクの偽装、不正広告によって詐欺サイトが表示されるようになっていたとみられ、詐欺サイトの表示とともに警告音が再生される場合もあるという。

 なお、この警告画面は、あたかもGoogle Chromeで表示されているような状態を模した画像を、PCの画面いっぱいに表示するという手口だ。アドレスバーに警察庁のURLが、画面下部にはWindowsのタスクバーやアイコンなどが表示されているように見えるが、いずれもただの画像として表示されているだけであり、[F11]キーを押すことで全画面表示を解除できる。

 トレンドマイクロでは、この詐欺サイトを7月27日ごろに確認。同社のセキュリティ製品では、7月30日までの4日間で、日本国内からこの詐欺サイトへのアクセス2896件を阻止した。

 警察などの法執行機関を装い、「ネット上で違法行為を行った」などの名目で「罰金」を要求する不正プログラムは“ポリスランサム”と呼ばれ、“ランサムウェア(身代金要求ウイルス)”の定番の手口の1つ。

 今回の偽の警告サイトは、このポリスランサムの手口を詐欺サイトに応用した新たな金銭目的の攻撃だとトレンドマイクロでは指摘する。日本の警察庁以外に、フランス国家警察、ドイツ連邦刑事庁をかたるものも確認されているという。

【お詫びと訂正 20:20】
 記事初出時、“違反金”の支払い方法についての記述に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

誤:iTunesカード
正:iTuneカード

 Appleが提供するギフトカードの正確な表記は「iTunesカード」(iTunes Card)ですが、今回の詐欺サイト上の記述は「iTuneカード」です。