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リアルタイムで50言語を音声通訳する「POCKETALK」、ソースネクストが12月14日に発売
2017年10月23日 18:34
ソースネクスト株式会社は、50言語以上に対応した通訳デバイス「POCKETALK」を12月14日に発売する。本体のみのモデル(税別2万4800円)と、世界61カ国で利用できる株式会社ソラコムのグローバルSIMを同梱したモデル(税別2万9800円)をラインアップする。
SIM搭載モデルは2年間通信を利用でき、期間終了後の延長が可能。SIMは1万円(税別)で別途購入できる。カラーはホワイトとブラック。同社通販サイト、全国家電量販店で販売するほか、事業者向けのレンタルサービスも提供する。
本体は60×110×16mm(幅×高さ×厚さ)の手のひらサイズで、重量は約90g。本体のボタンをタップして話しかけるだけで、指定した言語へ翻訳してくれる。クラウド上から言語ごとに最適な翻訳エンジンを選択することで、高い翻訳精度も実現しているという。例えば日英ではGoogle翻訳、日中ではBaidu翻訳などを利用するそうだ。翻訳した音声を文字変換して本体上部のカラーディスプレイ(1.3インチ、320×320ピクセル)に表示可能。20件までの履歴を繰り返して再生することができる。
本体には、人混みの中でも人の声が認識しやすいノイズキャンセル機能搭載のデュアルマイクと、騒がしい場所でも聞き取りやすいダイナミックスピーカーを内蔵。起動も速く、シンプルな操作で翻訳できるため、スマートフォンの翻訳アプリよりも少ない手間で使用できるとしている。
1.3GHzクアッドコアCPU(ARM7)と1GBのメモリを搭載。IEEE 802.11n/bとW-CDMA方式3Gの通信に対応。nanoSIMスロット×1、Micro USB×1ポート、音声の入出力が可能なイヤホンジャック×1を装備。電源はMicro USBで充電でき、バッテリー容量は2000mAh。連続翻訳時の動作時間は約6時間、スリープ時には約5日間動作する。
旅行や学習、ビジネスでも活躍する翻訳機に
POCKETALKはオランダTravisとの共同開発で、本体の表示言語や技適の取得など、国内向けのローカライズを担当した。日本ではソースネクストの独占販売契約。
ソースネクスト株式会社代表取締役社長の松田憲幸氏によると、2017年4月のロゼッタストーン・ジャパン株式会社買収などをきっかけに、同社では「言葉の壁をなくす」ことをミッションとして掲げ、“外国語習得者が増加する未来”“言語学習が不要な未来”の実現を目指している。POCKETALKは、この後者を実現するためのデバイスとして位置付けているという。
訪日外国人は年々増加しており、2020年の東京オリンピック開催時には約3700万人の観光客が訪れると予測されている。しかし、訪日外国人にとって施設スタッフとコミュニケーションが取れない問題が依然として多いのが現状だそうだ。そこで、ソースネクストではPOCKETALKの一般販売に加え、空港や通信販売代理店などで法人向けのレンタルサービスも行うなどして、幅広いユーザー向けに展開する。
スマートフォンアプリを使った場合と比較すると、POCKETALKは翻訳機として特化していること、スマートフォンを他人に利用させる心理的負担がないことなどを松田氏は挙げた。また、同機は長いフレーズの翻訳も得意としているため、旅行や学習、ビジネスシーンでも活用できるとしている。今後、POCKETALKにより「世界中の人とコミュニケーションができるような世界を実現したい」と語った。2020年までに50万台の販売を目指すとしている。